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【鹿島】「何をするか分からない選手でありたい」。攻撃のスイッチャーになる遠藤康の存在価値

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年05月12日

変わらない「誰かが動いたら、俺は出すよ」というスタンス。

鈴木(9番)との好連係で2ゴールを演出。「優磨が入れてくれたから」と後輩の活躍を称えた。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 右サイドでやや外向きにボールを運びながら、相手が寄せてきた瞬間、クルッと回って、ピッチ中央に進路を取る。ただのターンと言えばそれまでだが、この動作ひとつで、攻撃の局面がガラリと変わるから面白い。サイド攻撃をチラつかせながら、一気に中央突破か、あるいは逆サイドへの展開か。その“スイッチ”を入れているのが、遠藤だ。
 
 もっとも、レフティのテクニシャンは、あくまでも謙遜する。
 
「でもそれは、俺だけの問題ではない。例えば、(右SBの)大伍くんが『ターンしろ』とか声を出してくれる。その声で、自分が見えていないところにターンができる。もちろん、自分の判断で逆向きになることもあるけど」
 
 ターンのタイミングは、ある意味、遠藤にしか分からない。それでも、振り返った瞬間、2トップが縦に抜け出そうとするなど、受け手になる選手がすでに準備できているのも、今のチームの強みだ。
 
「自分は、練習でも試合と同じようにプレーしているし、みんなも自分のプレーを分かっていると思う。ここでターンするだろうな、とか。だからターンした瞬間、動き出してくれている」
 
 07年の加入以来、鹿島一筋で11年目を迎えた。29歳となり、選手として脂が乗っている今季も、「誰かが動いたら、俺は出すよ」というスタンスは変わらない。
 
 アジアを舞台にした戦いでも、一つひとつのプレーに余裕が見える。相手を背負ってキープする時も無理がなく、涼しい顔でパスを捌く。
 
「後ろ向きでボールをもらう場面も少なくなった。誰かに預ければ、また戻ってくる信頼があるし、だからパスを出した後は、裏に走ったり、動かずにもらったり」
 
 本音を言えば、「シュートを打ってゴールを決めたい」。しかし、自分が好きなようにプレーしているだけでは、チームが勝てないことは重々承知している。
 
「チームのために、何が効果的なのか」を常に考えてプレーする。何気ないワンツーでも、アクセントをつけようと工夫する。相手の出方や戦況に応じて、ダイアゴナルの動きで背後を突くか、それともボールに多く触ってリズムを作るかを決める。
 
「もっといろんな攻撃の形を作りたい」
「何をするか分からない選手でありたい」
 
“全冠制覇”という壮大な野望を抱く常勝軍団において、背番号25の存在はますます大きくなっている。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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