ルーキーとは思えぬ存在感! ルヴァン杯首位・仙台の“クロッサー”永戸勝也のこだわり

カテゴリ:Jリーグ

小林健志

2017年05月11日

柏戦の股抜きクロスに「そこは狙っています」。

様々な球質のクロスを蹴り分ける永戸。開幕の札幌戦では威力のある無回転シュートも見せた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 永戸はこの柏戦でも67分、DF小島雅也に代わってピッチに入ると、クロスから決定機を生み出そうと試みた。注目すべきは様々なシチュエーションでクロスを蹴り分けていることだ。ハイボールにグラウンダー、GKの背後を狙ったりマイナスに入れたり、と多彩なクロスが相手の脅威となっている。
 
「少しずつクロスが中の選手と合い始めていて、(永戸)勝也自身もいろいろ工夫しながらクロスの高低だったり、相手のゴール前に落とすのかマイナスに入れるのか変化を加えたりしていて、非常に効果的になっています」と渡邉監督も永戸のクロスの質を評価した。
 
 永戸自身は「まず目の前に敵がいるので、相手に当てないことを心掛けています。得点につながったクロスは相手の股を通っていますので、そこは狙っています。その前にGKにキャッチされたボールも、もう少し低ければ直さん(石原直樹)やクリスに通っていたと思います。状況によって蹴り分けるのは自分の中で意識していて、プレーごとに良いボールが蹴れるようにいろいろ準備、練習もしているのでそれを出すだけです」と語り、クロスの質には相当なこだわりを持っている。
 
「抜き切れなくてもクロスボールを入れられればチャンスになります。自分なりに蹴り分けできるのが特長、強みだと思いますので、(リーグ戦の)FC東京戦でもいろいろやりましたが、結果につなげられるよう続けてやっていくだけですね」
 開幕から試合に出続け、経験と自信を積み重ねたことで、クロスの蹴り分けという自分の良さを存分に出せるようになった。
 
 この日ゴールを挙げたクリスランも「勝也はいつも良いクロスを上げてくれます。(自分は)背が高いので、ハイボールに合わせるのを狙っていますが、勝也は今日のように低いクロスも武器なので、それに対しても合わせられるよう準備したいですね」とクロスを合わせる側も永戸のバリエーション豊かなクロスに合わせようと意識を傾けている。
 
 仙台は開幕前に負傷したMF中野嘉大の復帰が間近で、今後は中野とのポジション争いが予想される永戸だが、レギュラーの座を守るためには武器であるクロスの質をさらに磨きたい。渡邉監督は「これからどんどん研究されてくるので、それをどうやって乗り越えるのか。(研究されても)そこを上回ってほしい」と期待をかける。もはや大卒ルーキーとは思えない存在感を見せ始めた永戸。左足からどんなクロスが繰り出されるのか、今後がますます楽しみだ。
 
取材・文:小林健志(フリーライター)
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