FW闘莉王は機能しているのか?古巣・名古屋戦で見せた闘将の矜持とは

カテゴリ:Jリーグ

雨堤俊祐

2017年05月06日

チームが勝つために何をすべきなのか――闘莉王はポジションに関係なく、それを体現する。

【警告】名古屋=杉森(50分)、田口(54分) 京都=なし
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】シモビッチ(名古屋)

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 また、空中戦だけでなく足下の技術も確かで、縦パスを受けたところに2列目の小屋松知哉や岩崎悠人が絡んでいく、サイド攻撃から供給されるクロスにあわせるといった場面も試合を重ねる毎に増えている。前線でボールが収まるという信頼があるから、中盤やサイドバックは迷い無く走りこむことができるのだ。
 
 指揮官は「この選手たちの特徴をいかに発揮させるか、相手にとってなにが嫌なのかを考えた」(布部監督)と説明する。闘莉王のFWとしての能力、そして攻撃の構築に苦しむチーム事情を踏まえた上での起用がはまった格好だ。
 
 名古屋戦はシュート1本に終わり「今日は(得点を決めるのは)自分ではなかったのかな」と攻撃で輝きを放つことはできなかったが、守備ではいつも以上の貢献が見られた。
 
 京都は序盤こそ前からのプレッシングが効いて高い位置でボールを奪えていたが、次第に自陣で耐える展開が増えていく。そうした試合展開自体は想定内で、大事なのは中央を割られないことだった。
 
 闘莉王はボランチが中央から釣り出されそうな時に中盤深くへ下がって守備陣形に加わり、時に第三のボランチとしてバイタルエリアが手薄にならないように意識を払っていた。
 
 2ボランチの一角を務めた吉野恭平は「トゥーさん(闘莉王)は『きつい時は絶対に助けてやるから』と言って、何度も俺と(ハ・)ソンミンの間まで降りてサポートしてくれた。すごく助かりました」と振り返っている。
 
 FWとしての闘莉王は、どちらかというと守備よりも攻撃に力を注いでいるが、対戦相手や試合展開によっては役割を変えることも厭わない。
 
 チームが勝つために何をすべきなのか――常日頃からチームメイトに要求していることを、古巣との一戦で自ら率先して示した。それは復調しつつあるチームの中で大きな存在感を放つ闘将の矜恃を感じさせるものだった。
 
取材・文:雨堤俊祐(サッカーライター)
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