ここからがスタート――。新たな冒険に向かうような高揚した雰囲気が醸し出されていた。
しかし後半に入ると、相手に主導権を握られる時間が増える。あっさりと決定機まで持ち込まれるシーンも相次いだ。その流れを断ち切れず、66分、楠神に技ありのループシュートを決められてしまったのだ。
「相手が修正して、プレッシャーの掛け方を変えてきた。それに、ウチも選手を交代して、しっくりいかず、全体が間延びしてしまった」
柏木はそのように振り返った。ゴールを奪おうとする前線の選手たちと、リスクを冒すラインコントロールはしたくない最終ラインと、どちらをフォローすべきか迷うボランチと、全体のバランスを欠いた。もちろん札幌戦から先発5人を入れ替えるなどベストとは異なる布陣で、不動のリンクマン阿部勇樹が欠場した影響がそのあたりに出たとも言えた。
とはいえ、そこから途中出場のラファエル・シルバが2ゴール・1アシストと爆発。今後、ACL、Jリーグ、さらにルヴァンカップ、天皇杯と連戦が続く際、R・シルバ、興梠のどちらか(あるいはふたり)をベンチに置くなど、強力な切り札「2枚」を臨機応変に使える。それは浦和の大きな武器になり得ることを示した。
相手に付いて”走らされる”時間帯も続いた2ボランチは「しんどい時間が続いた」と漏らしていた。一方で青木は「それでも攻め切って、畳み掛けるのが今季のレッズ。6点を奪えたのは、良い面が出たから」と受け止めている。久々に組んだ柏木&青木の2ボランチについても、阿部不在時でも問題なく機能する面と、リスク管理など課題になる面と、両面が明らかになったのは、むしろ収穫と言えるだろう。
スタッフのスカウティングと選手のプレーが合致した前半、一転してピンチが続きながらも巻き返した後半。内容もとても充実していた仙台戦(4月7日/6節・仙台戦/7-0勝利)とは似て非なる大勝劇だった(相手のレベルが高かったのかどうかが分からないと、本音を語る選手もいた)。
ただ今後に活かせる様々な教材の詰まった1勝になったのは確かだ。何よりこのACLのグループリーグを通じて、チームの総合力は上がり、戦い方の幅も広がっていった。そして、この日先発の座を掴んだ駒井は「次が大切。甘さを見せたら、必ずやられる」、柏木も「決勝トーナメント進出は『当たり前』。まだまだ。もっと良くなれる」と、一段と気を引き締めていた。
アジアの戦いは、ここからがスタート——。浮かれることなく、それでいて新たな冒険に向かうような高揚した雰囲気が、試合後の浦和の選手たちから醸し出されていた。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
「相手が修正して、プレッシャーの掛け方を変えてきた。それに、ウチも選手を交代して、しっくりいかず、全体が間延びしてしまった」
柏木はそのように振り返った。ゴールを奪おうとする前線の選手たちと、リスクを冒すラインコントロールはしたくない最終ラインと、どちらをフォローすべきか迷うボランチと、全体のバランスを欠いた。もちろん札幌戦から先発5人を入れ替えるなどベストとは異なる布陣で、不動のリンクマン阿部勇樹が欠場した影響がそのあたりに出たとも言えた。
とはいえ、そこから途中出場のラファエル・シルバが2ゴール・1アシストと爆発。今後、ACL、Jリーグ、さらにルヴァンカップ、天皇杯と連戦が続く際、R・シルバ、興梠のどちらか(あるいはふたり)をベンチに置くなど、強力な切り札「2枚」を臨機応変に使える。それは浦和の大きな武器になり得ることを示した。
相手に付いて”走らされる”時間帯も続いた2ボランチは「しんどい時間が続いた」と漏らしていた。一方で青木は「それでも攻め切って、畳み掛けるのが今季のレッズ。6点を奪えたのは、良い面が出たから」と受け止めている。久々に組んだ柏木&青木の2ボランチについても、阿部不在時でも問題なく機能する面と、リスク管理など課題になる面と、両面が明らかになったのは、むしろ収穫と言えるだろう。
スタッフのスカウティングと選手のプレーが合致した前半、一転してピンチが続きながらも巻き返した後半。内容もとても充実していた仙台戦(4月7日/6節・仙台戦/7-0勝利)とは似て非なる大勝劇だった(相手のレベルが高かったのかどうかが分からないと、本音を語る選手もいた)。
ただ今後に活かせる様々な教材の詰まった1勝になったのは確かだ。何よりこのACLのグループリーグを通じて、チームの総合力は上がり、戦い方の幅も広がっていった。そして、この日先発の座を掴んだ駒井は「次が大切。甘さを見せたら、必ずやられる」、柏木も「決勝トーナメント進出は『当たり前』。まだまだ。もっと良くなれる」と、一段と気を引き締めていた。
アジアの戦いは、ここからがスタート——。浮かれることなく、それでいて新たな冒険に向かうような高揚した雰囲気が、試合後の浦和の選手たちから醸し出されていた。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)