「若手がどんどん下から突き上げて勢いをつけられれば」
神戸戦から5日後の4月13日。時間を置いて、改めてJリーグデビュー戦を振り返ってもらった。
「思い切りやろう、と。最初は緊張しましたが、ピッチに入ったら意外と冷静な自分がいた。良い緊張感のなかでプレーできましたね。ベンチから戦況を眺めていて、やるべきことは整理できていました。
自分としては『もっとミスするかな』『浮き足立つかな』と思っていたんですけどね。今季は絶対にチャンスがくるだろうと信じて練習に取り組んでいたし、『やっと一歩を踏み出せたかな』と感じてはいます」
チームは0-2で敗れてしまった。泥沼の6連敗。自身の出場はたった31分間。シュートは1本のみ。思い描いていた絵とは程遠かったかもしれない。それでも、スタートラインで待ち続けた黒川にやっと号砲が鳴ったのだ。
「相手を背負ってのキープは、より安定感が増しました。ただ、自分ではミスが多いなって。『こんなに簡単にボールを奪われるか』というシーンもありましたから。周りからは『ボールを失わない』と言われますけど、完璧なパフォーマンスを目指しています」
栄養学の勉強をするなど、貪欲にサッカーと向き合う黒川。スタートしたことを喜んでも、走り始めたことに満足はしていない。
「自分のポジションだと、ゴールにつながるようなプレーをしないと評価されない。そこは突き詰めてやっていきたいですね。
(12日の)ルヴァンカップ・柏戦で45+1分にネイツ(・ペチュニク)選手に出したラストパス。ひとりで局面を打開するのはもちろん、良い位置でボールをもらえるように動いて、ああいうのをもっと出せれば結果もついてくるはず」
クラブは16日の7節・清水戦、1-1の引き分けで今季初の勝点を得た。しかし、苦境は変わらない。0勝1分6敗、2得点・11失点の得失点差-9で最下位に沈む。J1の18クラブで唯一、白星を掴んでいない。
「若手がどんどん下から突き上げて勢いをつけられれば、チーム全体で盛り上がっていくと考えています。そうすれば現状も打破できると思っていて、そのためにも普段の練習をしっかりとこなしてアピールすること。自分を信じてやっていきたいです」
黒川はたぶん、昨季のチームの躍進をプレーヤーとして実感できていない。それでいて、今の危機感を人一倍感じ取り、愛するクラブにいまだ十分な貢献ができていない不甲斐なさを抱いている。
今はそれでいい。歯を食いしばるような悔しさを溜めて、プレーにぶつけて、些細なことでも成長への材料としてほしい。「最終的に自分を中心にチームが動いたらな」。その言葉を実現する日が遠くない未来に到来することを、心待ちにしていよう。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
「思い切りやろう、と。最初は緊張しましたが、ピッチに入ったら意外と冷静な自分がいた。良い緊張感のなかでプレーできましたね。ベンチから戦況を眺めていて、やるべきことは整理できていました。
自分としては『もっとミスするかな』『浮き足立つかな』と思っていたんですけどね。今季は絶対にチャンスがくるだろうと信じて練習に取り組んでいたし、『やっと一歩を踏み出せたかな』と感じてはいます」
チームは0-2で敗れてしまった。泥沼の6連敗。自身の出場はたった31分間。シュートは1本のみ。思い描いていた絵とは程遠かったかもしれない。それでも、スタートラインで待ち続けた黒川にやっと号砲が鳴ったのだ。
「相手を背負ってのキープは、より安定感が増しました。ただ、自分ではミスが多いなって。『こんなに簡単にボールを奪われるか』というシーンもありましたから。周りからは『ボールを失わない』と言われますけど、完璧なパフォーマンスを目指しています」
栄養学の勉強をするなど、貪欲にサッカーと向き合う黒川。スタートしたことを喜んでも、走り始めたことに満足はしていない。
「自分のポジションだと、ゴールにつながるようなプレーをしないと評価されない。そこは突き詰めてやっていきたいですね。
(12日の)ルヴァンカップ・柏戦で45+1分にネイツ(・ペチュニク)選手に出したラストパス。ひとりで局面を打開するのはもちろん、良い位置でボールをもらえるように動いて、ああいうのをもっと出せれば結果もついてくるはず」
クラブは16日の7節・清水戦、1-1の引き分けで今季初の勝点を得た。しかし、苦境は変わらない。0勝1分6敗、2得点・11失点の得失点差-9で最下位に沈む。J1の18クラブで唯一、白星を掴んでいない。
「若手がどんどん下から突き上げて勢いをつけられれば、チーム全体で盛り上がっていくと考えています。そうすれば現状も打破できると思っていて、そのためにも普段の練習をしっかりとこなしてアピールすること。自分を信じてやっていきたいです」
黒川はたぶん、昨季のチームの躍進をプレーヤーとして実感できていない。それでいて、今の危機感を人一倍感じ取り、愛するクラブにいまだ十分な貢献ができていない不甲斐なさを抱いている。
今はそれでいい。歯を食いしばるような悔しさを溜めて、プレーにぶつけて、些細なことでも成長への材料としてほしい。「最終的に自分を中心にチームが動いたらな」。その言葉を実現する日が遠くない未来に到来することを、心待ちにしていよう。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)