高校選抜はなぜJ選抜を圧倒できたのか?知られざる舞台裏の“変革”に迫る

カテゴリ:高校・ユース・その他

川端暁彦

2017年02月18日

より“勝負”や“チーム”を意識したシビアな選考

恩師・黒田監督が率いる高校選抜で、溌溂とした動きを披露したのが青森山田高の面々。FW鳴海(11番)も状態の良さを窺わせた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 また、選手権の大会優秀選手に限定されていた選手選考についても変革があった。現在は夏のインターハイで活躍した選手を中心に別枠でのピックアップが行なわれており、予選敗退校のなかから、とりわけ有能な下級生をチームに加えるようになっているのも大きい(予選敗退校から選ぶ試み自体は以前からあり、年度によってやり方が異なる)。より幅広く、様々なチームの選手にチャンスを与え、将来性のあるタレントに欧州遠征を含めた経験を積んでもらおうという意図だが、単純に高校選抜の戦力アップという面でも小さからぬ意味があった。
 
 今回のチームにも、先制点を叩き込んだFW町野修斗(履正社高/2年)や3点目をアシストしたMF松本泰志(昌平高/3年→サンフレッチェ広島)といった、選手権では惜しくも府県予選で涙を呑んだ選手たちが参戦。高校選抜の底上げが実現している。
 
 こうした変化を踏まえ、かつては選手権で活躍した選手たちに与える“ご褒美”のイメージが強かった高校選抜チームでは、より“勝負”や“チーム”を意識したシビアな選考が行なわれているのだ。
 
 黒田監督は常々、Jクラブと切磋琢磨する意義を強調してきたが、高校選抜というJリーグ開幕以前から続く枠組みもまた、Jとの戦いを通じてブラッシュアップされた一面がある。
 
 4-0というスコアだけを抽出しても大した意味はないのだが、高校選抜の仕組みや意識自体が着実に変化し、両者の力関係に変化が生まれてきているのも確かである。
 
取材・文:川端暁彦(フリーライター)
 
【PHOTO】 日本高校選抜vsU-18 Jリーグ選抜を彩った好タレントたち

【ゼロックス杯PHOTO】鹿島×浦和の美女サポーターたち♥

【ゼロックス杯PHOTO】鹿島 3-2 浦和|鈴木優磨の決勝ゴールで鹿島が勝利!
【関連記事】
日本高校選抜がJリーグ選抜を4-0で圧倒!先発を飾った久保建英は…
「雪中サッカー」の真実。旭川実業高校の独自指導、志の高い“北海道スタイル”とは?
日本にスーパーFWが生まれないのは「エゴ不足」だけにあらず。ヒントは久保建英や女子選手に
【ゼロックス杯 採点&寸評】鹿島×浦和|さっそく最上の輝きを放ったL・シルバ、2得点の遠藤を高く評価
【U-15日本代表】2002年生まれの逸材たちが初合宿に臨む!有馬監督「それで本気なのか?」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ