「雪中サッカー」の真実。旭川実業高校の独自指導、志の高い“北海道スタイル”とは?

カテゴリ:高校・ユース・その他

龍フェルケル

2017年02月17日

水が入らないよう靴下の上にビニールを履く。

冬場に肝となるのが体育館でのトレーニング。細かいテクニックを磨くうえではメリットも。写真:龍フェルケル

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体育館に比べてグラウンドは苦労が多い。それでも選手たちの顔には開放感からくる笑顔が溢れる。写真:龍フェルケル

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 冬場にグラウンドで雪中トレーニングをするのは週2、3回で、残りの時間は他部活と共有する体育館。良くて体育館全部、悪くて4分の1しか使えない。富居監督はそのデメリットとメリットをこう分析する。
 
「体育館でやる2時間のトレーニングは、とにかくタッチ数が多くなる。際の感覚ばかりになるから良くないな部分もあるけど、球際の感覚とか2人、3人での崩しっていう部分の練習はできる。本当に細かいところで、バスケットコート規格の中で細かい感覚を磨き上げたり、ボールワーク的なものを作ったりということは、メリットにしていかないといけないと思っている」
 
 サッカー部が体育館を頻繁に使える高校は旭川内でも少ないという。同市内の進学高・旭川東高校では雪中練習が体育館使用時間を上回る。
 
 グラウンドでの練習は、まずピッチに行くまでが一苦労。膝まである雪をかき分け、ズボズボと進む。動き始める前にトンボで雪の表面を均す。そして、練習中にもなるべく動き回り、足下の雪を固める。
 
 選手はスパイクを履く前に、水が入らないよう靴下の上にビニールを履く。スパイクも凍り、プラスチックが頻繁に折れる。ゴールも通常サイズではなく、フットサル用を2つ繋ぎ合わせていた。
 
 しかし、雪中グラウンドでの練習は、選手たちに笑顔を与える。体育館では得られない開放感。それが彼らの表情を煌めかせる。
 
「肉体的には、本州より北海道の子のほうが身体が強いと言われますね。北海道から本州に出て行った子もそうですし、ウチと対戦した本州の監督さんにもそう言っていただけます。メンタル的には、北海道の子のほうが内向的で、本州の子とか静岡の子とかと戦うと、ゲーム中の喋る回数とか表現力の違いはあるかなと。ただ、逆に良く言えば我慢強さ、貫く能力みたいな部分は北海道のほう上じゃないかと感じているところもありますね」
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