監督、選手の手応えは? 白崎は「自分のところは負けちゃいけない」と強い自覚も。
小林伸二監督も、「20分経って相手の勢いに慣れてきて、それ以降は我々のほうがテンポが良くなった。最初は何人かがイージーミスをしてキツくなったけど、我慢できれば(パスを)回せるというのは、みんな感じていると思います。少しは色が出てきたサッカーもできるんだなという感じは見えました」と良い手応えを口にする。
ここまで3試合全てでゴールを決めている鄭大世も「組織さえしっかりしていれば大崩れすることはないと思う。人数をかけて崩したり、カウンターで良い形で突破したりできて、相手よりもチャンスは多かった」と語る。
選手個々に「自分がやらなければ」と責任感が表われていることもプラス要素だ。とくに白崎は、決勝点のアシスト以外でも多くのチャンスを演出し、攻撃の中心に成長していることを示した。彼自身「J1のチームはやっぱりボディコンタクトが激しい」と語るが、それをものともしないたくましさも見せている。
「自分が通用しなくて抑えられたら、たぶんチームも厳しいと思うし、自分のところは負けちゃいけないと思っています。うまさを見せるだけじゃなくて、球際もガッツリ行くとか、そういう姿勢を出していきたい」(白崎)と自覚の高さを口にした。
また、逆にプラスになる一面もある。大前がいると、周囲の選手がまず彼を見てボールを預ける傾向があり、大前のところで攻撃がスピードダウンする面も見られた。だが白崎や野津田、枝村らは、より判断が速く、ボールがノッキングすることなく前に進んでいく。攻撃のスピード感という面では、以前より向上しているように感じられた。
チャンスメイクの面だけでいえば、白崎のほうが多彩な形や精度を見せる。守備に関しても、金子のほうがハードワークできて効果的な仕事ができる。
もちろん、得点力という面でのロスは大きい。大前は、降格した2015年でも11得点を決めており、1年を通して働けば10点以上は期待できる選手だ。チャンスは作れても、鄭以外の選手がどれだけ決めきれるかという部分が不安要素として残ることは、この試合でも否めなかった。
鄭自身も「僕以外の選手がもっと点を取ってこそ、相互作用というか相乗効果でもっと点が入ると思う」と語る。鄭以外に恐い存在がいなければ、マークが鄭に集中し、彼自身のゴールも減ってしまう。そのあたりは、若い攻撃陣の成長やミッチェル・デュークの復調に期待するのか、あるいは新たなストライカーを獲得するのか。
ただ、そこさえクリアできれば、「大前ロス」のマイナス面を最小限に抑えられるポテンシャルは、現時点で十分に感じられた。
取材・文:前島芳雄(フリーライター)
ここまで3試合全てでゴールを決めている鄭大世も「組織さえしっかりしていれば大崩れすることはないと思う。人数をかけて崩したり、カウンターで良い形で突破したりできて、相手よりもチャンスは多かった」と語る。
選手個々に「自分がやらなければ」と責任感が表われていることもプラス要素だ。とくに白崎は、決勝点のアシスト以外でも多くのチャンスを演出し、攻撃の中心に成長していることを示した。彼自身「J1のチームはやっぱりボディコンタクトが激しい」と語るが、それをものともしないたくましさも見せている。
「自分が通用しなくて抑えられたら、たぶんチームも厳しいと思うし、自分のところは負けちゃいけないと思っています。うまさを見せるだけじゃなくて、球際もガッツリ行くとか、そういう姿勢を出していきたい」(白崎)と自覚の高さを口にした。
また、逆にプラスになる一面もある。大前がいると、周囲の選手がまず彼を見てボールを預ける傾向があり、大前のところで攻撃がスピードダウンする面も見られた。だが白崎や野津田、枝村らは、より判断が速く、ボールがノッキングすることなく前に進んでいく。攻撃のスピード感という面では、以前より向上しているように感じられた。
チャンスメイクの面だけでいえば、白崎のほうが多彩な形や精度を見せる。守備に関しても、金子のほうがハードワークできて効果的な仕事ができる。
もちろん、得点力という面でのロスは大きい。大前は、降格した2015年でも11得点を決めており、1年を通して働けば10点以上は期待できる選手だ。チャンスは作れても、鄭以外の選手がどれだけ決めきれるかという部分が不安要素として残ることは、この試合でも否めなかった。
鄭自身も「僕以外の選手がもっと点を取ってこそ、相互作用というか相乗効果でもっと点が入ると思う」と語る。鄭以外に恐い存在がいなければ、マークが鄭に集中し、彼自身のゴールも減ってしまう。そのあたりは、若い攻撃陣の成長やミッチェル・デュークの復調に期待するのか、あるいは新たなストライカーを獲得するのか。
ただ、そこさえクリアできれば、「大前ロス」のマイナス面を最小限に抑えられるポテンシャルは、現時点で十分に感じられた。
取材・文:前島芳雄(フリーライター)