【選手権】プロ内定3人を抱える東福岡はなぜ被シュート1本で負けたのか

カテゴリ:高校・ユース・その他

平野貴也

2017年01月05日

森重監督は辛口のエールを送った。

プロ内定者3人を擁するタレント集団だった東福岡。しかし、相手が放ったわずか1本のシュートの前に連覇の夢を打ち砕かれてしまった。写真:田中研治

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 森重潤也監督は「パスを出した後に、ペナルティエリアに走って行けていない。藤川も高江もパスを出して終わってしまっていた。ゲームメイクをしながら前に飛び込んでいくとか、シュートを打ちに行くとかをしなければ、攻撃をやり切れない。そこまで、もっとハードワークをしなければいけない」と、相手にとっての危険地帯を増やしていく多重的な攻撃ができなかった要因を運動量にも求めた。
 
 後半19分、途中出場のFW佐藤凌我のポストプレーを起点に左サイドへ展開し、アーリークロスが逆サイドへ流れたところを折り返してチャンスになるシーンがあった。同じように、中央を使いながら得意のサイド攻撃を活用して相手を振り回せなかったことが悔やまれる試合となった。
 
 東海大仰星の守備が良かったと素直に相手を称えることもできる試合だ。それでも、もっと藤川や高江が積極的にパスを引き出し、マークをはがして相手を困惑させれば……。そんな思いになるのは、左サイドバックの小田逸稀を含めた3選手のプロ入りが内定しているからでもある。森重監督は「ああいうのを突破していけるようにならなければ、この先は厳しくなるよ」と辛口のエールを送った。
 
 藤川は「もっと、やれた。自分がもっと上手くて強ければ、こんな試合にならなかった。最後の笛が鳴った時は、本当に悔しかった。でも、気持ちを切り替えたというか、こんなところで涙を流していられない。みんなが泣いている顔を見て、本当に辛かったけど、でも、胸を張ってやっていこうと思った」と前を向いた。
 
 藤川や高江がプロの世界で、勇気を持って、相手がプレッシャーをかけてくるスペースのわずかな合間でパスを引き出して仕事をするシーンを見ることがあるとしたら、その背景には、間違いなくこの一戦の悔しさがあるだろう。
 
取材・文:平野貴也(フリーライター)
 
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