名古屋が振るった”大ナタ”は、チーム再建に結びつくのか

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェスト編集部

2016年11月26日

新しい井戸から水が出てくるとは限らない。

長澤ら大量の新戦力を獲得して大幅に人員を入れ替えた今季の千葉は、プレーオフにも進出できなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 さらに、新チームがスタートした後にも必ずなんらかの問題は出てくる。その問題に的確に対処できるかどうかも当然怪しい。降格したのは問題があったからだ。チームを刷新してしまえば、その問題は当面消える。しかし、それはある意味問題を先送りしただけで、いずれ新たな問題に取り組まなければならないわけだ。
 
 Jクラブの社長の多くはスポンサー企業から派遣されてきている。なかには元プロ選手や元監督など、サッカー界を知り尽くしているプロフェッショナルもいるけれども、大半 はサッカーについて深い知識など持たずに社長になる。
 
 1993年の開幕当初、選手も本当の意味でプロとは言えなかった。しかし、やがてプロらしい技術や生活習慣を身に付けた。選手がプロ化したので指導者もプロになっていった。だが、フロントのプロ化は遅れている。
 
 Jリーグ以外の社長が皆プロかと言えばそうではない。例えば、ヨーロッパの地方クラブには一代で財をなし、夢だったクラブ経営に乗り出す人が多い。このタイプの独裁型会長にも色々問題はあるのだが、少なくとも彼らは表に出て責任を負い、批判される覚悟でやっている。

 Jの場合、社長は親会社から派遣されているのでオーナーではなく、最高権力者とは言えない場合もある。社長は親会社からの派遣なので上の意思決定には逆らえず、現場の都合とは無関係な意思決定が行なわれることもしばしばだ。そういう体質を持っているので、問題解決が難しいのだろう。
 
 かつて、イビチャ・オシム氏は「新しい井戸を掘る前に、古い井戸にまだ水が残っているか見るべきだ」と話していた。古い井戸を捨てて新しい井戸を掘れば、仕事をしているように見える。ただ、新しい井戸から水が出てくるとは限らない。

文:西部謙司(サッカージャーナリスト)
【関連記事】
【ミラン番記者】本田圭佑は「止め」を刺された…。デルビーのスソの大活躍は致命的だ
来季のJ2はスペイン旋風? 東京V、徳島がスペイン人監督を招聘へ
【川口能活クロニクル】自分のせいで負けた… 人生最悪の試合はドイツW杯のあの惨劇
【セルジオ越後】川崎には「勝つ文化」がない。鹿島とは対照的だったね
【ミラン番記者】モントリーボが語る本田「僕はケイスケの生き方に感服している。移籍先に薦めるのは…」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ