【日本代表】キーワードは"多様性"。最終予選の山場で見えたハリルジャパンの本質

カテゴリ:日本代表

飯尾篤史

2016年11月17日

「縦に速い攻撃」を生み出す「舞台装置」にも様々なパターンがある。

攻守の切り替えのスピードや前線からのプレス、裏を狙う姿勢を求めたサウジ戦で、久保が先発するのは必然だった。(C)SOCCER DIGEST

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 ここまで指揮官が強く求めてきた「縦に速い攻撃」に関しても、それを生み出す「舞台装置」はいろいろあることが見えてきた。

 9月のUAE戦では大島僚太の縦パスで攻撃のスピードアップを狙い(うまくいかなかったが)、タイ戦ではシンプルに浅野のスピードを生かそうとした。

 10月のオーストラリア戦では本田のキープ力を生かし、原口や小林悠を飛び出させてロングカウンターを繰り出し、サウジアラビア戦では前述したようにハイプレスを仕掛け、中盤では長谷部と山口蛍が手数を掛けず、トップ下の清武弘嗣に預けたり、1トップの大迫勇也の足下に付けたりしていた。
 
 ちなみに、オマーン戦とサウジアラビア戦の後半は、山口のロングランがチームに縦の意識と推進力をもたらしていたようにも見えた。
 
 怪我のため、9月シリーズで離脱することになった槙野智章は、その際、ハリルホジッチ監督からこんな言葉をかけられという。
 
「今回の対戦相手と対戦チームを考えたら、おまえを起用したかったから残念だ」
 
 この言葉はやはり、対戦相手と試合の性質に合わせ、選手を選択していることを表している。となれば、今後、ゲームプラン次第で1トップに大迫ではなく岡崎慎司や浅野が起用される試合もあれば、ボランチに山口ではなく大島や柏木陽介、小林祐希が選ばれる試合もあるだろう。
 
 原口、大迫、清武、山口らロンドン五輪世代が新風を吹き込み、ホームで首位を叩いたサウジアラビア戦。指揮官のスタイルに選手たちが手応えを感じてきたことにも大きな価値がある。

文:飯尾篤史(スポーツライター)
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