【釜本邦茂の視点】「本田と香川」頼みからの脱却を示した原口の走り、清武の冷静さ

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年11月16日

香川はもっと自分を出してプレーすべき。そのためにもまずは試合に出ることだ。

後半途中から出場した香川。ペナルティエリア内で得点に絡むプレーも見せたが、今後は所属チームでコンスタントに試合に出ることが求めらる。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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その一方で、途中出場になった本田と香川は、少し原口や清武といったフレッシュな顔ぶれに比べて影が薄く感じたのは、私だけではなかったはずだ。もちろん、本田はオマーン戦に比べたら随所にいいプレーがあったし、ゴール前ではチャンスに絡めていた。香川にも原口の2点目につながるスルーなど効果的なプレーもあった。
 
 それでもサウジ戦に関しては、原口や大迫、清武といった既存の主軸たちの次の世代、つまりロンドン五輪世代の選手たちがしっかりと自分の強みを押し出すプレーをして輝きを放っていた。もはや、本田や香川頼みのチームではなくなったように思える試合だった。
 
 とはいえ、香川も年齢的にはロンドン五輪世代の選手で、清武と同じ89年生まれだそうだね。現時点ではゲームメイクや運動量といった点でも、はるかに清武のほうがいいと感じるけど、香川ももっと自分を出して積極的に人を動かしたり、自分がやりやすいようにやればいいんだよ。せっかくいいモノを持っているのだからね。
 
 ただ、「自分を出す」といっても所属チームであまり出場できていない現状では、それも難しい。やはり自分本来のフォームを取り戻すためにも、まずは来年3月の次の試合までにしっかりと所属チームでポジションを掴むことが重要になる。
 
 これは、香川に限ったことではなく、欧州組全体に課せられた宿題だろう。次の試合をいかなる戦略・戦術をもって戦うかなんて、周りがああだこうだ言ったって、監督にしか分からないこと。それよりもまず選手たちは、試合できちんと自分のパフォーマンスを出せるコンディションを作ることに集中してほしい。そのためにも、試合に出続けることが必要だ。
 
 今回、いいパフォーマンスを見せてくれた清武にしても、所属チームではハイレベルなライバルたちとの競争に苦戦を強いられている。シーズン前半戦は出場機会が限定されがちな日本人選手が多かったが、後半戦の巻き返しに期待したいね。毎回コンスタントに試合に出られる状態になって、3月のUAE戦(23日)、タイ戦(28日)を迎えられれば、ワールドカップ出場も自ずと近づいてくるはずだ。
 
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