【選手権出場校】宮城・聖和学園|“史上最弱”が勝ち取った3連覇

カテゴリ:高校・ユース・その他

小林健志

2016年11月05日

東北大会での青森山田戦をきっかけに──

6月以降、キャプテンとしてチームをまとめ上げてきDF小倉。選手権本大会でも「聖和らしく魅せたい」と意気込む。写真:小林健志

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喜びを爆発させる選手たち。過去3大会でなしえなかった2回戦突破を果たし、飛躍を遂げるか。写真:小林健志

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 また、インターハイ予選までキャプテンで1トップを務めていたFW西堀駿太(3年)が靱帯を傷めて長期離脱を余儀なくされ、その後はセンターバックの小倉滉太(3年)が腕章を巻いた。「西堀と話して、雰囲気を良くしようと心掛けました」と語る。
 
 東北高校サッカー選手権は1回戦で強豪・青森山田に勝利。「青森山田に勝てた試合は共通意識もあって楽しくできて、良くなるきっかけになりました」と小倉が話した通り、この勝利を機に、それまで自信を喪失していたチームが劇的な変化を遂げていく。

 西堀に代わって1トップに配置されたFW大八木隆斗(3年)も、突破力やキープ力を活かしてゴールを奪えるようになり、決勝の仙台商戦でも2ゴールを挙げる活躍ぶり。さらにボランチの藤井僚哉(3年)も中盤からドリブルで持ち上がってゴールを脅かす存在となり、「パスに逃げることがなくなり、ドリブルで局面を打開できるようになりました」と、加見監督も評価する。決勝の3点目は、ドリブルでサイドに流れた藤井がミドルシュートでねじ込んだものだ。
 
 整備された環境も後押しした。今春、聖和学園・三神峯キャンパスに人工芝グラウンドが完成。「夏休みゆっくりたくさん練習できたのがここにいられる一番の要因かもしれません。人工芝で嬉しそうにボールに触るようになりました」(加見監督)、「人工芝になってみんな喜んで自主練するようになったのが良かったです」(小倉)と、自主練をする選手が増え、夏場にみっちり練習を積んだことで、足下の技術向上につながった。
 
 かくして「史上最弱」だった世代は、インターハイ予選敗退を経て急激に力をつけ、見事選手権出場を決めた。過去出場した3大会はいずれも2回戦で敗退しているが、「聖和のサッカーで魅せていきながら全国優勝も狙いたいです」と、小倉は意気込む。

 真骨頂のドリブルを炸裂させるか。選手権本大会でも、大いに盛り上げてくれそうだ。
 
 
取材・文:小林健志
 
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