ハリルの「190cm以上ないと良いGKとは言えない」は正論か? 欧州4大リーグで検証!

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年10月19日

グアルディオラ監督はハートより12cm低いブラーボを優先した。

グアルディオラ監督たっての希望でマンチェスター・Cに引き抜かれたブラーボ。身長のハンデを反応速度や足技で補う。(C)Getty Images

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 とはいえ、「180cm台でもハイレベルで戦えるかもしれないが、かなり困難がある」という見解は、さすがに言い過ぎだろう。
 
 189cmのヤン・オブラク(A・マドリー)、188cmのユーゴ・ロリス(トッテナム)、187cmのマルク=アンドレ・テア・シュテーゲン(バルセロナ)、185cmのケイラー・ナバス(R・マドリー)、184cmのクラウディオ・ブラーボ(マンチェスター・C)と、4大リーグとチャンピオンズ・リーグの覇権を争うトップクラブの正守護神を務める180cm台のGKも少なくない。
 
 R・マドリーとスペイン代表で数々の栄冠を掴み、ノイアー台頭前にはブッフォンと世界最強GKの座を争ったイケル・カシージャス(ポルト)も182cmと、日本人GKたちと大差ない体格だ。
 
 言うままでもなくGKは、空中戦でもシュートストップでも1cmの差が成否を分けるポジションだが、彼らは身長のハンデを反応速度、ポジショニング、ステップワーク、判断力、そして足下のテクニックなどで補い、十分以上に世界トップレベルで戦っているのだ。
 
 今夏にはこんなケースもあった。マンチェスター・Cの新監督に就任したジョゼップ・グアルディオラは、クラブとイングランド代表で長く正守護神を務めてきた196cmのジョー・ハートを外し(結局はトリノへレンタル移籍)、代わりにバルセロナから184cmのブラーボを獲得。ゴールマウスを任せた。
 
 12cmの身長差を考えれば、空中戦では間違いなくハートのほうが有利。しかし、最終ラインからのビルドアップを肝とするパスサッカーを志向するグアルディオラ監督は、より足技に優れるブラーボを買ったのだ。総合的な安定感でも新戦力のほうが上という算段もあっただろう。
 
 GKにとって身長は大きな武器にはなるし、大きいに越したことはない。しかし、それが“全て”ではなく、指揮官の志向や戦術によって能力のプラオリティーは確実に変わる――。それが「世界トップレベル」の現実だ。
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