【浦和】ヒーローは西川だけじゃない。タイトルを呼び込んだGK陣の「絆」

カテゴリ:Jリーグ

轡田哲朗

2016年10月16日

浦和のトレーニングに足を運ぶと、チームの中に“もう一つのチーム”があるように感じられる。

準々決勝、準決勝の4試合でゴールマウスを守った大谷(上段右から2番目)も満面の笑顔を見せた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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「ベスト8から勝ち上がってくれたので、責任を果たさなければ申し訳ない。みんなの頑張りがあってのファイナルですから」
 
 そして迎えた決勝戦、PK戦に突入したゴールマウスに立つ西川をピッチの外でチームメートと肩を組んで見守っていた大谷は、託す気持ちでいたと話した。
 
「PKになったら、シュウ君(西川)にも思う気持ちがあったはずだし、『頼んだ』って気持ちですよね。やっぱりGKが止めれば勝つわけですし。止めた瞬間は、もうガッツポーズですよ!」
 
 サッカーという競技の中で、手を使える唯一の存在であるGKは、どのチームでも特別なトレーニングを積む。浦和のように相手から攻め込まれることが少ないチームであっても、勝負を分ける1本のシュートを止めるために、何度となく身体を投げ出していく。専用のフィジカルトレーニングも、見ているだけでも過酷さが伝わってくるものだ。
 
 だからこそ、浦和のトレーニングに足を運ぶと、本当にチームの中に“もう一つのチーム”があるように感じられる。土田尚史GKコーチの下で3人は常に高め合い、お互いを信頼してトレーニングに励んできた。
 
 西川は、その思いを「僕の力でここの場所に立っているわけではないので、GK陣と(土田)尚史さんと勝ち取った今日のPKです。4人でまた明日から頑張りたい」と表現した。大谷も「僕らGKに絆はありますよ」と、嬉しそうに顔をほころばせた。
 
 試合後の歓喜に沸くピッチでは、土田コーチ、西川、大谷、岩舘の4人が肩を組んで笑顔になっている瞬間があった。浦和と言えば誰もが思い浮かべる赤のユニホームを彼らが身に着けることはない。だが、それもまたひとつの団結の象徴のようにすら感じられる。その思いが結実したかのようなPKストップが、浦和に歓喜の瞬間を呼び込んだ。
 
取材・文:轡田哲朗(フリーライター)
 
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