鳥栖の選手たちの本音は…「しんどかったけど、集中してゼロに抑えられた」。
鳥栖対川崎戦は、蒸し風呂のような酷暑の中で行なわれた。気温26.7度、湿度81パーセント。見ているだけでも苦しくなるような環境のなか、フィッカデンティ監督は最後まで交代カードを切らなかった。
試合後、早坂良太は指揮官の狙いに言及。「流れ的に、どこか代えてバランスを崩れるのが嫌だったのかなと思う。中(選手たち)はしんどかったけど、集中してゼロに抑えられた」と語る。
90分を通して“マッシモ・イズム”を貫徹した鳥栖の選手たちは、一様に手応えを掴んだようだ。
「どこの試合で変わったというのはないけど、キャンプからずっとやり続けて、信じてやってきているから、どこかのタイミングで変わった。一人ひとりが『これで合っているんだ』と分かったところで結果が付いてきた」(吉田豊)
「鳥栖らしい強固なディフェンスになっている。やっていることは変わらないけど、結果が付いてきたのは自信になる。監督がやろうとしていることがすごくマッチしているし、相手にとって嫌なんだろうなと。監督の戦術は良いと思っているし、『これを言っていたんだな』というのを、選手たちが少しずつ感じている」(豊田陽平)
イタリアサッカーの美学とも言えるようなウノ・ゼロ(1-0)の勝利に、フィッカデンティ監督は「前から潰しに行くという守備を90分通してやった。間違いなく今シーズンのベストゲーム」とご満悦の様子。こうして、今季J1初となる“選手交代なし”の珍記録は生まれた。
取材・文:大木勇(サッカーダイジェスト編集部)

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