【仙台】プロ5年目で開花の兆し? 藤村慶太が歩む“なんでも屋”を超えるための道程

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2016年08月14日

「もっとボールを受ける動きを増やさなければ……」

「プロ5年目で、チームを試合に勝たせられるプレー、目に見せる結果をやっと出せた」と藤村。怪我人の多いチーム状況を考えても、今後の活躍に期待が掛かる。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 では、なぜ様々なポジションを指揮官の要求を満たすレベルでこなせるのか。それについては、プレービジョンの豊富さがひとつの回答となり得るだろう。サッカーIQの高さ、と言い換えてもいいかもしれない。それは本人も武器として自覚している。
 
「自分はフィジカルが長けているわけではない。常に頭をフル回転させて、次にどこにポジションを取っていれば効果的なのかを考えている。前線、中盤、最終ラインとポジションによってやらなければならないことは違うので、それも整理してゲームに入っている」
 
 その結晶が、チーム2得点目のアシストにつながったインターセプトだ。相手の癖からパスコースを察知して、ポジショニングを修正。ドンピシャでボールを足もとに収めた。
 
 また、60分に小島雅也が退いた代わりに左SBに入ったが、「『相手の良さを消すように』を意識して」プレーすることで、対峙したクリスティアーノやディエゴ・オリヴェイラ、伊東純也の対応も四苦八苦しなかったのも、思考能力が成せる業だ。
 
 だが、この1試合でマン・オブ・ザ・マッチ級の働きを示せたからといって満足はしない。質の高いパフォーマンスを継続してこそ、自身の価値がより高まるのを知っている。「どのポジションで出場しても、もっとボールを受ける動きを増やさなければ……」と課題も口にしている。
 
 それでも、背番号26はまだ22歳(9月2日に23歳となる)なのだ。ゆっくりしている暇はないが、逆に焦り過ぎる必要もない。「プロ5年目で、チームを試合に勝たせられるプレー、目に見せる結果をやっと出せた」ことを自信に、一歩一歩を踏みしめて成長を続けてほしい。
 
 今節を復興祈念ユニホームで戦ったクラブは、今後も“復興のシンボル”として歩みを止めない。同時に藤村が、これから待っているであろうレギュラー争いなどの試練を乗り越えた先に輝き続けることを、切に願っている。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

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