あくまで本番は8か月後の北中米W杯だ
この1点がチーム全体に大きな活力を与えたのは紛れもない事実。「まだまだ行ける」という前向きなムードになるなか、森保監督は久保に代えて伊東純也(ヘンク)をシャドーで投入。伊東と組むことで、南野はさらに大きなスペースを動けるようになった。
62分、伊東のクロスをファーから飛び込んだ中村敬斗(S・ランス)が決め切り、2-2に追いつくと、さらに71分には伊東の左CKを上田が打点の高いヘッドで叩き込み、逆転に成功。そのタイミングで田中碧(リーズ)と交代した南野は、緊張しながら仲間たちの戦いを見つめていたに違いない。
そして最終的に3-2でタイムアップの笛。まるで2022年カタールW杯のドイツ戦(2-1)、スペイン戦(2-1)を彷彿させるような劇的な逆転劇。日本はブラジル戦初勝利という新たな歴史を刻んだのだ。
元ブラジル代表のロナウドに憧れ、映像を擦り切れるほど見たという南野にとって、王国撃破は特別な出来事に他ならない。
しかもカタールW杯では絶不調に陥り、スタメン落ちの屈辱を味わった。ラウンド16のクロアチア戦(1-1/1PK3)では、PK戦で痛恨の失敗。あれから3年が経過し、南野はリーダーとしてチームを勝たせられる存在へと進化した。モナコで実績を残してきたこともあるが、彼の中で迷いがなくなり、「自分たちは行けるんだ」という確信が生まれた印象も少なからずある。
62分、伊東のクロスをファーから飛び込んだ中村敬斗(S・ランス)が決め切り、2-2に追いつくと、さらに71分には伊東の左CKを上田が打点の高いヘッドで叩き込み、逆転に成功。そのタイミングで田中碧(リーズ)と交代した南野は、緊張しながら仲間たちの戦いを見つめていたに違いない。
そして最終的に3-2でタイムアップの笛。まるで2022年カタールW杯のドイツ戦(2-1)、スペイン戦(2-1)を彷彿させるような劇的な逆転劇。日本はブラジル戦初勝利という新たな歴史を刻んだのだ。
元ブラジル代表のロナウドに憧れ、映像を擦り切れるほど見たという南野にとって、王国撃破は特別な出来事に他ならない。
しかもカタールW杯では絶不調に陥り、スタメン落ちの屈辱を味わった。ラウンド16のクロアチア戦(1-1/1PK3)では、PK戦で痛恨の失敗。あれから3年が経過し、南野はリーダーとしてチームを勝たせられる存在へと進化した。モナコで実績を残してきたこともあるが、彼の中で迷いがなくなり、「自分たちは行けるんだ」という確信が生まれた印象も少なからずある。
ただ、あくまで本番は8か月後の北中米W杯だ。そこで輝けなければ、南野は本当の意味で成長したという実感を持てないだろう。10月の代表ウイークに、恩師であるモナコのアドルフ・ヒュッター監督が突如として退任。セバスチャン・ポコリーニョ新監督が就任することになったが、今後の扱いはまったくの未知数。南野はまたゼロからの競争を余儀なくされる。カタールW杯直前は試合に出られず、調子を落としたが、その二の舞だけは避けたい。
ブラジル戦での1ゴールを新指揮官への良いアピール材料にできるのか。モナコで救世主的な働きができるのか。南野の本当の勝負はここからだ。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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