【総体女子】藤枝順心が悲願の夏制覇! ラッキーガールが殊勲弾!!

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原 崇(高校サッカーダイジェスト)

2016年08月02日

主将の福田は、「本当に価値のある優勝です」と力を込めた。

左膝の痛みに苦しみながらも、MVP級の働きを見せた福田ゆい(右)。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 懸命の反撃を試みる作陽だが、選手個々のフリーランが減り、得意のショートカウンターへの活路も見出せないままだった。池田監督は「守備は全国でも十分に通用することが分かったし、大会を通じて勝ち進むなかで、選手たちに『優勝したい』という意識が芽生えたことは収穫です。ここからの半年で、さらにチーム力を高めていきたい」と、前を向いた。
 
 試合はこのまま危なげなく藤枝順心が逃げ切り、初めて夏の女王の座を掴んだ。多々良監督は「個の力は低い。よくやったなと思います」と選手たちを称え、こう続けた。
 
「選手権の時もそうでしたが、ウチの強みは相手の良さを消すこと。そこからしっかりボールをつないで、自分たちのペースに持っていく。それを継続してできたからこその結果だと思います。ひとつの勝ちパターンですね。主力のふたり(FW岩下とMF安倍)が前十字を傷めて離脱するなか、(CBの)鈴木(杏那)も福田(ゆい)も出場が危ぶまれるほどの怪我を抱えていて、なんとか調整しながら最後までやり抜いた感じ。本当に苦しみました。だから自分たちが強かったというより、周りが落ちたのかなと。夏はずっと縁がなかったので、不思議なものです」
 
 殊勲の決勝点を挙げた2年生の上田は、大会直前にぎりぎりでメンバー入りを果たした。チームを栄冠へと導いたラッキーガールは「全国大会自体が初めてで、ヘディングでゴールしたのも初めて。大きな仕事ができて幸せです」と笑みを浮かべた。
 
 そして主将の福田ゆいは「前半の途中でまた膝を傷めてしまって、けっこう厳しかったんですけど、頑張り抜きました。決勝点のキック? なんかアドレナリンが出ると痛みとかなくなっちゃうんですよ」と笑い、「本当に価値のある優勝です」と力を込めた。
 
 16チームが鎬を削った女子インターハイは、藤枝順心の初優勝で幕を閉じた。躍進を遂げた作陽のリベンジは? 日ノ本学園や常盤木学園、十文字、星槎国際湘南といった強豪の巻き返しは? 群雄割拠の度合いがさらに濃くなった高校女子サッカー。冬の選手権に向けた戦いは、すでに始まっている。

取材・文:川原 崇(高校サッカーダイジェスト編集長)
 
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