主将の福田は、「本当に価値のある優勝です」と力を込めた。
懸命の反撃を試みる作陽だが、選手個々のフリーランが減り、得意のショートカウンターへの活路も見出せないままだった。池田監督は「守備は全国でも十分に通用することが分かったし、大会を通じて勝ち進むなかで、選手たちに『優勝したい』という意識が芽生えたことは収穫です。ここからの半年で、さらにチーム力を高めていきたい」と、前を向いた。
試合はこのまま危なげなく藤枝順心が逃げ切り、初めて夏の女王の座を掴んだ。多々良監督は「個の力は低い。よくやったなと思います」と選手たちを称え、こう続けた。
「選手権の時もそうでしたが、ウチの強みは相手の良さを消すこと。そこからしっかりボールをつないで、自分たちのペースに持っていく。それを継続してできたからこその結果だと思います。ひとつの勝ちパターンですね。主力のふたり(FW岩下とMF安倍)が前十字を傷めて離脱するなか、(CBの)鈴木(杏那)も福田(ゆい)も出場が危ぶまれるほどの怪我を抱えていて、なんとか調整しながら最後までやり抜いた感じ。本当に苦しみました。だから自分たちが強かったというより、周りが落ちたのかなと。夏はずっと縁がなかったので、不思議なものです」
殊勲の決勝点を挙げた2年生の上田は、大会直前にぎりぎりでメンバー入りを果たした。チームを栄冠へと導いたラッキーガールは「全国大会自体が初めてで、ヘディングでゴールしたのも初めて。大きな仕事ができて幸せです」と笑みを浮かべた。
そして主将の福田ゆいは「前半の途中でまた膝を傷めてしまって、けっこう厳しかったんですけど、頑張り抜きました。決勝点のキック? なんかアドレナリンが出ると痛みとかなくなっちゃうんですよ」と笑い、「本当に価値のある優勝です」と力を込めた。
16チームが鎬を削った女子インターハイは、藤枝順心の初優勝で幕を閉じた。躍進を遂げた作陽のリベンジは? 日ノ本学園や常盤木学園、十文字、星槎国際湘南といった強豪の巻き返しは? 群雄割拠の度合いがさらに濃くなった高校女子サッカー。冬の選手権に向けた戦いは、すでに始まっている。
取材・文:川原 崇(高校サッカーダイジェスト編集長)
試合はこのまま危なげなく藤枝順心が逃げ切り、初めて夏の女王の座を掴んだ。多々良監督は「個の力は低い。よくやったなと思います」と選手たちを称え、こう続けた。
「選手権の時もそうでしたが、ウチの強みは相手の良さを消すこと。そこからしっかりボールをつないで、自分たちのペースに持っていく。それを継続してできたからこその結果だと思います。ひとつの勝ちパターンですね。主力のふたり(FW岩下とMF安倍)が前十字を傷めて離脱するなか、(CBの)鈴木(杏那)も福田(ゆい)も出場が危ぶまれるほどの怪我を抱えていて、なんとか調整しながら最後までやり抜いた感じ。本当に苦しみました。だから自分たちが強かったというより、周りが落ちたのかなと。夏はずっと縁がなかったので、不思議なものです」
殊勲の決勝点を挙げた2年生の上田は、大会直前にぎりぎりでメンバー入りを果たした。チームを栄冠へと導いたラッキーガールは「全国大会自体が初めてで、ヘディングでゴールしたのも初めて。大きな仕事ができて幸せです」と笑みを浮かべた。
そして主将の福田ゆいは「前半の途中でまた膝を傷めてしまって、けっこう厳しかったんですけど、頑張り抜きました。決勝点のキック? なんかアドレナリンが出ると痛みとかなくなっちゃうんですよ」と笑い、「本当に価値のある優勝です」と力を込めた。
16チームが鎬を削った女子インターハイは、藤枝順心の初優勝で幕を閉じた。躍進を遂げた作陽のリベンジは? 日ノ本学園や常盤木学園、十文字、星槎国際湘南といった強豪の巻き返しは? 群雄割拠の度合いがさらに濃くなった高校女子サッカー。冬の選手権に向けた戦いは、すでに始まっている。
取材・文:川原 崇(高校サッカーダイジェスト編集長)