監督解任の前夜に明かした森重真人の苦悩――「自分たちは信じながらやるしかない」

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年07月24日

「今やっているやり方を変えるじゃないけど……」   。そう言い及んだ後、森重は――。

7月24日に解任が発表された城福監督。後任はまだ決まっていない。(C)SOCCER DIGEST

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 すでにシーズンは22試合を消化し、後半戦に突入している。そんななかでの年間13位という順位。目標に掲げたタイトル獲得どころか、残留争いに片足をつっこみかねない状況だ。『果たして、このままで大丈夫なのか』。そんな疑問が湧いてくるのも無理はない。
 
「やっぱり結果がでないと、なんで結果がでないのか。今やっているやり方を変えるじゃないけど……」
 
 そう言い及んだ後、森重は自身に言い聞かせるように言葉を吐き出した。
 
「結果的にこのやり方を続けることが最短の道だとは思っていますけど、他にもっと楽に勝点3を取れるやり方があるんじゃないかと考えてしまうので、それはちょっと良くないかなと思っています。自分たちがやり続けていることが、勝点3への一番の近道だなと思ってやれば問題ないかなと思っています」
 
 誰かが別の方向を向けば、途端にチームは空中分解しかねない。そんな危うい雰囲気を感じ取っていたのだろう。一丸にならなければ――と言葉の節々に想いを込める森重は、一種の悲壮感すら漂わせていた。
 
 結果的に城福監督は解任され、森重が「信じてやるしかない」と語っていたチーム方針も一度リセットされる。指揮官を解任に追い込んだ自分たちのパフォーマンスに責任を感じているかもしれないが、選手たちが感じていた小さくない不信感とプレッシャーは軽減されるだろう。そして、今までとは違う形の危機感が、彼らに新たなモチベーションを与えるはずだ。
 
 もちろん、FC東京が追い込まれた立場にあることは変わらない。新監督もまだ決まっておらず、チームとしての航路も示されていないのは、大きな不安要素だ。
 
 ただ、森重のやることは変わらない。
 
「決めるところを決める。個人的なところで失点をしない、競り負けない。そこがやっぱり勝負を一番左右するところ。そこの1センチ、10センチにこだわっていくってところしか分からないので、自分たちはそれを信じながらやるしかない。答えはあるわけではないので、それを探りながら、これだと思いながら日々過ごしていく必要があると思います」
 
 誰が監督になろうとも、チームが定めた方向に一丸となって突き進み、一つひとつのディテールにこだわり抜く。それこそが、この苦境を脱する術だと、森重は信じている。
 
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェストWEB編集部)
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