一方の原は「自分はデカいんで、空中戦のターゲットにもなれると思いますし、そこは新しい代表の形としてプラスアルファにできたらいいですね。それに加えて、パスで良いところを見て出したり、自分自身が裏に走ったり、そういう形を出していけばいいと思います」と発言。高さに加え、柔軟にプレーもポジションも変えられるタイプということで、そこはポジティブな要素と見ていい。

　今回は追加招集で、急に韓国入りしたため、周囲との連係面に不安はあるものの、即興で息を合わせられなければ代表では生き残れない。実績で上回る細谷が多少なりともリードする形にはなるだろうが、原自身もベルギーやスペインの多種多様な個性を持った選手たちとすり合わせながらプレーしてきた経験値がある。それを遺憾なく発揮し、２人のコンビで前線に新たな風を吹かせてほしいものである。

　初戦でジャーメイン良（広島）が１試合４ゴールの離れ業をやってのけているため、FW陣にとってアピールのハードルは間違いなく上がっている。山田新（川崎）も「衝撃的でしたし、ちょっと取りすぎかなという感じはありました」と苦笑していたが、次戦にスタメン出場するアタッカー陣も30歳の点取り屋に続かなければならない状況だ。
 

　そうやって全員が圧倒的な決定力を前面に押し出し、中国を圧倒できれば、15日の最終戦・韓国戦にも弾みが出てくる。韓国も11日の香港戦を２－０で勝利。無敗で日本に向かってくることになる。その相手を倒してこそ、日本の国内組の価値は上がる。

　細谷と原を中心にフレッシュなアタッカー陣がお互いを活かし合い、好連係を見せ、数多くのチャンスを作り出す姿を、ぜひとも我々の目に焼き付けてもらいたいものである。

取材・文●元川悦子（フリーライター）

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