ちなみに、フットボーラーの推定市場価格を網羅しているウェブサイト『transfer markt』によると、EURO2016開幕前の登録23選手の推定市場価格の合計額はスペインの５億9200万ユーロ（約828億8000万円）、ドイツの５億8000万ユーロ（約812億円）に対し、イタリアは半額以下の２億6350万ユーロ（約368億9000万円）でしかなかった。
 
　推定市場価格は選手の価値を測るひとつの物差しにすぎないとはいえ、イタリアが決勝トーナメント１回戦で破ったスペイン、準々決勝で苦しめたドイツとの格差は一目瞭然。その意味で誰よりも価値を高めたのは、完成度の高い組織を機能させ、あらゆる個を輝かせたアントニオ・コンテ監督なのかもしれない。

　ガゼッタ紙はこうした市場価格の上昇により、「選手を提供するクラブに、直接かつ即時の利益をもたらしうることを示した」と、コンテ監督の下で低い下馬評を覆したイタリア代表を褒め称えている。

　余談になるが、そのほかの主な出場国の推定市場価格の合計額は以下の通りだ（いずれもEURO2016開幕前の『transfer markt』による推定額）。

　フランスは４億8700万ユーロ（約681億8000万円）、イングランドが４億7700万ユーロ（約667億8000万円）、ベルギーが４億6800万ユーロ（約655億2000万円）、ポルトガルが３億5350万ユーロ（約494億9000万円）、ウェールズは１億7010万ユーロ（約238億1400万円）、そしてアイスランドは4475万ユーロ（約62億6500万円）となっていた。

文：ワールドサッカーダイジェスト編集部