稼げるだけ時間を稼ぎたかった
このような仕組みで両サイドに人数をかけられ、4-4-2を敷く川崎は次第にサイドから押し込まれるようになった。ボールを奪う位置が低いため、攻撃に転じるのも一苦労。しかも相手のカウンタープレスは、強くて速い。
35分の先制点も、アル・アハリのサイドの仕組みが生きたもので、佐々木からボールを奪ったガレーノが中へ入り、アリオスキが外を駆け上がって川崎のマークを混乱させ、一瞬空いた隙にドライブミドルシュートが放たれた。
家長がマンツーマンでアリオスキに対応している以上、佐々木が前へ出て寄せるべきだったが、背後を取られるリスクを気にしたのかもしれない。結果、「まさかそこから…」と想像の斜め上をいくシュートが突き刺さってしまった。
これほど深く押し込まれることを避けるために、家長が前ズレして敵陣プレスに行く対応策もあり得る。だが、コンディション差に加え、相手方にデュエルモンスターが何人もいる状況を鑑みると、川崎の選択肢は我慢しかなかったのだろう。
それでも失点を1に留めておけば、ドリブラー伊藤達哉のスーパーサブ起用によって延長戦に持ち込むことも充分に実現可能だったが、痛恨だったのは42分に喫した2失点目だ。その直前、右膝を痛めた三浦颯太が自ら立ち上がってピッチ脇へ行き、診察後に✕を出した。
しかし、✕ならば診察や担架で稼げるだけ時間を稼ぎ、再開後はマルシーニョのスローインが外に出たと同時に交代選手を送り込める状態にしたかったところ。川崎の素直な姿はこのアンフェアな大会においては際立つ清々しさがあるが、勝負の世界では甘さと言えなくもない。
35分の先制点も、アル・アハリのサイドの仕組みが生きたもので、佐々木からボールを奪ったガレーノが中へ入り、アリオスキが外を駆け上がって川崎のマークを混乱させ、一瞬空いた隙にドライブミドルシュートが放たれた。
家長がマンツーマンでアリオスキに対応している以上、佐々木が前へ出て寄せるべきだったが、背後を取られるリスクを気にしたのかもしれない。結果、「まさかそこから…」と想像の斜め上をいくシュートが突き刺さってしまった。
これほど深く押し込まれることを避けるために、家長が前ズレして敵陣プレスに行く対応策もあり得る。だが、コンディション差に加え、相手方にデュエルモンスターが何人もいる状況を鑑みると、川崎の選択肢は我慢しかなかったのだろう。
それでも失点を1に留めておけば、ドリブラー伊藤達哉のスーパーサブ起用によって延長戦に持ち込むことも充分に実現可能だったが、痛恨だったのは42分に喫した2失点目だ。その直前、右膝を痛めた三浦颯太が自ら立ち上がってピッチ脇へ行き、診察後に✕を出した。
しかし、✕ならば診察や担架で稼げるだけ時間を稼ぎ、再開後はマルシーニョのスローインが外に出たと同時に交代選手を送り込める状態にしたかったところ。川崎の素直な姿はこのアンフェアな大会においては際立つ清々しさがあるが、勝負の世界では甘さと言えなくもない。
斯くして2点ビハインドを背負った川崎は、65分に大関友翔と伊藤を投入してギアチェンジ。高い位置からプレッシングに行く。同時にアル・アハリもそれまでの押せ押せ戦術を放棄し、2つ目の顔を覗かせた。つまり、敵陣押し込み型から、自陣ブロック型へチェンジする。
1つ目の顔だけでなく、この2つ目の守備的な顔も、アル・アハリは一体感が強かった。これをぶち破っての2点はさすがに難易度が高い。試合は2-0のまま終わり、アル・アハリが優勝を果たした。
選手の豪華な能力に奢らず、川崎の守備ブロックの攻略、コンディション差を利用する戦略、マルシーニョの裏取り対策など、アル・アハリには入念な対策の跡が窺えた。「隙がない」としか言いようがない。
今季のACLEを思い返すと、リーグステージでは山東泰山の撤退により神戸が理不尽な扱いで順位を落とされ、「ファイナルズ」では直前の規定変更でアル・ヒラルが優遇された。最初から最後までふざけた大会だったが、このアンフェア・トーナメントをサッカーでねじ伏せるには、Jクラブの力が足りなかった。でも、よくがんばったと思う。
文●清水英斗(サッカーライター)
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