Jリーグのクラブも注目する1.FCケルンの一風変わった日本での取り組みとは?

カテゴリ:特集

サッカーダイジェストWeb編集部

2025年04月02日

競い合いや勝敗ではないスポーツの良さにJクラブも注目

Jリーグ関係者も注目したインクルーシブなイベントに。

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200名を超える参加者がプレーした。

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 そんなケルンが昨年日本で始めたのが、ユニフォームサプライヤーであるヒュンメルが知的障がい児・者サッカースクール「トラッソス」と行なっているインクルーシブイベント「ゴチャタノ」への参画だ。

 もともとヒュンメルとトラッソスが行なっていたイベントにケルンが興味を持ち、ドイツ学校「東京横浜獨逸学園」にも声をかけ、日独交流イベントに発展。今回は、知的障がいのある人とない人が同じチームになって、バランスボールやソフトラグビーボール、風船などを使って、200名がサッカーを楽しんだ。

 Jリーグクラブも「ゴチャタノ」に注目しており、今回のイベントにも複数のクラブスタッフが参加した。まだオフィシャルの取り組みではないとしながらも、あるスタッフは「みんなが楽しめる場所をつくったり、サッカーを楽しんでもらうことが我々の仕事で大事なことのひとつ。地域に根差すJリーグクラブとして、障がいのあるなしにかかわらず、みんなが一緒に動ける場所を提供していきたい」と、このイベントから見える意義を語る。

 Jリーグクラブにスポンサードしている企業も、このイベントに参加している。大分トリニータのスポンサードで知られる株式会社浅田飴は2023年より協賛。担当者は、「私たちは創業以来、『声』に関わるスポーツや芸能や文化を通じて、皆さまの楽しい『声』を応援しています。参加する人も応援する人も一緒に、笑顔や楽しい声で溢れる「ゴチャタノ」の活動を今後も応援していきたいと考えています」と語る。

 福島ユナイテッドFCのスポンサーである株式会社ダイオーも同じく2023年より協賛に名を連ねる。「いもくり佐太郎」というJリーグのスタジアムグルメを代表するお菓子で知られる企業で、代表取締役社長の佐藤卓宏氏は、「私たち株式会社ダイオーはスポーツの魅力を伝えるために、様々な支援や参加をさせていただき、多くの皆さんにスポーツに対する『楽しい』を届けられればと思っています。今回の「ゴチャタノ」にもその『楽しい』がつまっているので、こからもサポートできればと思います」と話す。
 

海外のプロクラブと交流できる今回の「ゴチャタノ」には、一般応募からの参加者も。

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勝ち負けで優劣をつけず、協賛各社からチーム賞が全チームに贈られた。

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 トラッソスの吉澤昌好氏は、「1.FCケルンが加わったことで、海外プロクラブと交流できる貴重な機会になりました。国際交流の色合いも濃くなり、まさに障がいの有無、性別、国籍、年齢などに関係なく、ごちゃ混ぜを楽しむインクルーシブなイベントになったと思います。競い合いや勝敗ではない、スポーツを通して人が繋がる楽しさを味わってもらえた1日になりました」と振り返る。

 ケルンのネソス氏は、「ドイツでもインクルーシブサッカーは行なっていますが、こんなにもごちゃごちゃなイベントは経験がありません。長年指導者として、数え切れないほどのトレーニングセッションや試合を指揮してきましたが、この日は私にとっても特別な1日となりました。これほど多くの笑顔を見ることができたのは、本当に貴重な体験でしたし、見ているだけでも笑顔が溢れるような素晴らしいイベントでした」と話した。

 ケルンのマーケティング部国際化担当の笹原丈氏は、「自分と違うバックグラウンドを持っている人とでも、言葉が通じなくても、コートに立ってボールを蹴れば思いが繋がって笑顔になれるのがサッカーの魅力のひとつだと思います。このようなサッカーの持つ素晴らしさを体感できるイベントを今後も日本で行なっていきたいと思いますし、ゴチャタノのようなインクルーシブイベントをドイツでも実施したいですね」と、ケルンの持つアイデンティティを表現する取り組みを拡大していくという。

 ブンデスリーガ2部で首位に立つ(4月1日時点)のケルン。1部復帰というニュースが、日本での取り組みの価値を向上させるのは間違いない。唯一無二のサッカークラブのこれからに注目したい。
 
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