ナポリが違約金9400万ユーロを大幅に値下げするとは思えない。
チェルシーorユナイテッド移籍に比べれば、ナポリ残留の可能性はずっと低い。ナポリの人々から溺愛され深い関係を築いたものの、この3年間で得たタイトルはコッパ・イタリア優勝の一度だけ。今年で29歳になるイグアインが、新たな刺激とビッグタイトルを求めてイングランドへ旅立ちたいと考えるのは自然な流れだ。
ただ、退団が簡単ではないのもまた事実だ。そもそもナポリは、イグアインとの契約に9400万ユーロ(約117億円)という高額な違約金を設定している。ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は、たとえ選手自身がどれだけ強く望もうと、設定した違約金を大幅に下回る金額で移籍を容認したことは過去に一度もない。つまり、5000万ユーロ(約62億円)程度の移籍金では、交渉成立は不可能ということだ。
イグアインは今夏、FIFAの移籍規定17条(契約から3年、満28歳以上の選手は、FIFA調停委員会が定める違約金を支払うことによって一方的に契約を破棄できる)を行使する権利を得る。しかし、ナポリと揉めるのを承知でイグアインがこれを強制行使しない限り、デ・ラウレンティス会長の首を縦に振らせるには8000万ユーロ(約100億円)あたりが必要になるだろう。
来シーズンは欧州カップ戦に出場できないことが決定しているチェルシー、そして最終節を前にしてEL出場圏内のユナイテッドが、今年で29歳になるストライカーにそれだけの巨費を投じるのか――。イグアインの移籍願望は強いだけに、それこそが最大のキーポイントになりそうだ。
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
ただ、退団が簡単ではないのもまた事実だ。そもそもナポリは、イグアインとの契約に9400万ユーロ(約117億円)という高額な違約金を設定している。ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は、たとえ選手自身がどれだけ強く望もうと、設定した違約金を大幅に下回る金額で移籍を容認したことは過去に一度もない。つまり、5000万ユーロ(約62億円)程度の移籍金では、交渉成立は不可能ということだ。
イグアインは今夏、FIFAの移籍規定17条(契約から3年、満28歳以上の選手は、FIFA調停委員会が定める違約金を支払うことによって一方的に契約を破棄できる)を行使する権利を得る。しかし、ナポリと揉めるのを承知でイグアインがこれを強制行使しない限り、デ・ラウレンティス会長の首を縦に振らせるには8000万ユーロ(約100億円)あたりが必要になるだろう。
来シーズンは欧州カップ戦に出場できないことが決定しているチェルシー、そして最終節を前にしてEL出場圏内のユナイテッドが、今年で29歳になるストライカーにそれだけの巨費を投じるのか――。イグアインの移籍願望は強いだけに、それこそが最大のキーポイントになりそうだ。
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。