【大宮】“昇り続けるオレンジ”へ。正念場の10日間がやってきた

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2016年03月11日

J2と違い守勢に回る時間が多い。だが、慣れてはきたはずだ。

開幕戦は守勢に回る時間がほとんど。2節・柏戦では修正を施して、プレースピードと連動性に改善の兆しが。写真:田中研治

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 2月27日にJ1リーグが開幕して、2週間が経とうとしている。クラブ史上初のJ1開幕から2連勝という結果を鑑みれば、15年シーズンとは違い、順調なスタートを切ったと見ていい。なんと言っても、昨季のJ2で定位置だった順位表の一番上に、トップディビジョンに上がっても名を載せているのだから(鹿島とは同勝点だが得失点差で上回った)。

 ただ、喜びから小躍りしてばかりもいられない。1節・FC東京戦(1-0)も2節・柏戦(2-0)も、多くの時間で守勢を強いられる不本意な内容だったからだ。決して、志向するサッカーが通用したわけではない。誤解を怖れずに表現すれば、積み上げた勝点6は、割り切った戦いをさせられた結果の副産物なのだ。

 もちろん、監督も選手も手をこまねいて日々を過ごしているわけではない。ほぼなにもできずにカウンター1発で勝利した1戦目に比べて、2戦目は攻守に修正を施した。まず攻撃では、ターゲットを確認しないまま一か八かで前へと蹴り出す、アメリカンフットボールのヘイルメリーパスのようなシーンは激減。武器となる、家長と泉澤に沼田が絡む左サイドでの崩しも少なからず見られた。

 一方の守備は、「ボールを奪いたいという気持ちが強過ぎて、寄せるタイミングが少し早い」(渋谷監督)場面も見掛けたものの、CBの菊地と河本、ボランチの横山と岩上が形成する四角形が相手をシャットアウト。

 FC東京戦のようにスピードに面喰い、中途半端に寄せてはいなされ、簡単にマークを剥がされてのピンチは、柏戦では皆無であった。サイドに追い出した後のサイドハーフやSBのプレスも連動性を増しており、指揮官も選手も、守り切れる手応えは十分に感じているだろう。

 今日(11日)はG大阪戦、その約1週間後の20日には広島戦が控えている。両者ともACLに参戦しており、状態は万全ではないはずだ。もちろん、戦力も実績も相手が一枚上手だが、それでも2戦をこなしてJ1のスピードに適応できた大宮にとって歯が立たない相手ではない。

 強豪との対戦を想定した練習でバージョンアップを目論む“自分たちのサッカー”がどの程度通用するのか。どういった戦いぶりを披露するかは、今後を占ううえで極めて重要となる。

 ここが分水嶺。“沈まぬオレンジ”から“昇り続けるオレンジ”へ、早くも正念場がやってきた。

取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

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