中盤の右には新潟の三戸舜介。キレ、スピードともに申し分ないが、この選手はシュートも素晴らしい。独特の蹴り方で、ボールの軌道が見る者の想像を遥かに超えていく。Jリーグアウォーズでのハーフパンツ姿も、今季に決めたゴールもインパクト十分だった（福岡の紺野和也も入れたかったな～）。
左には柏のマテウス・サヴィオ。クリエイティブなプレーにはサッカーの楽しさが詰まっている。スルーパスは絶妙で、シュートもクロスも正確。カウンターでドリブルを始めた瞬間に胸が高鳴る。最高の「10」番だ（横浜のエウベルも入れたかった）。
ハーフパンツ姿もインパクト十分
トップ下には神戸の佐々木大樹。テクニックはもちろんあるが、プレーに軽さがなく、重くて野太い。音色はソプラノサックスではなく、テナーやバリトン。男臭い低音の響きが下っ腹に伝わってくる。彼のプレーの迫力が、神戸の奏でる攻撃に厚みをもたらした。
フォワードは湘南の大橋祐紀。シュートのパターンも多く、決め切る力も見せた。守備でも奮闘し、湘南のJ１残留に大きく貢献。大橋のゴールが湘南を救ったと言っても過言ではない。厳しい残留争いのなかで、ゴールを決め切ったことは本当に価値がある。
MVPはマテウス・サヴィオ。柏は難しいシーズンだったが、そのなかで７ゴール・10アシストは素晴らしいし、数字以外の部分でもサッカーの楽しさを存分に感じさせてくれた。数字以上に印象に残るプレーが多かった。
取材・文●平畠啓史
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