最初に流した曲は『This is me』
須藤監督はクラブから続投オファーを受けながらも、単身赴任で残してきた家族のこともあり、鳥取の監督を退任。2019~21年夏までは山梨に戻ってスクールの指導に注力していた。が、またしてもJ監督就任の話が降って湧いた。それが現在率いている藤枝。現役最後にプレーしたクラブだった。
「代理人契約をしている神戸の元同僚・鈴木規郎を通して、『藤枝から話がある』と伝えられました。鳥取を退いたのも家族のことが大きかったので、山梨から単身で行くのは難しいというのが率直な気持ちでした。そのことをオーナーに伝えると『通いでいいからやってくれ』と言われたんです。
持ち帰って家族に相談すると『全力でやればいい』と背中を押され、決心がつきました。甲府から片道1時間45分かけて毎日通うのは大変ですが、1人になって様々な思いを巡らせ、考えをまとめる良い時間になる。そう前向きに受け止め、取り組み始めたんです」と、家族への感謝を胸に藤枝で再出発を切ったのである。
そこで打ち出したのが「エンターテイメントサッカー」だ。鳥取時代同様、監督就任直後のミーティングで「誰もやったことがないサッカーをする」とインパクトの強い言葉を強調。「3点取られても4点取るスタイルを突き詰めていく」と力強く宣言したのだ。
「代理人契約をしている神戸の元同僚・鈴木規郎を通して、『藤枝から話がある』と伝えられました。鳥取を退いたのも家族のことが大きかったので、山梨から単身で行くのは難しいというのが率直な気持ちでした。そのことをオーナーに伝えると『通いでいいからやってくれ』と言われたんです。
持ち帰って家族に相談すると『全力でやればいい』と背中を押され、決心がつきました。甲府から片道1時間45分かけて毎日通うのは大変ですが、1人になって様々な思いを巡らせ、考えをまとめる良い時間になる。そう前向きに受け止め、取り組み始めたんです」と、家族への感謝を胸に藤枝で再出発を切ったのである。
そこで打ち出したのが「エンターテイメントサッカー」だ。鳥取時代同様、監督就任直後のミーティングで「誰もやったことがないサッカーをする」とインパクトの強い言葉を強調。「3点取られても4点取るスタイルを突き詰めていく」と力強く宣言したのだ。
「僕は言葉による発信力や影響力をすごく重視していて、いろんな本を読んだり、映画を見たりしてるんです。そのなかで『グレイテスト・ショーマン』というアメリカの映画と出会い、メイキング映像で流れる曲『This is me』に心を揺さぶられ、それを最初に流したんです。『This is me』というのは『自分は自分でいいんだよ』ということ。いくつもの挫折を経て、今に至っている藤枝の選手たちにピッタリだなと感じたんです」
こうした仕掛けで選手たちの心を掴んでピッチに立つと、守備が圧倒的不利になる「4対9」やオールコートでの少人数ゲームなど、斬新なメニューを次々と取り入れた。そうして走力と判断力を向上させ、選手たちの意識を変えようと試みたのである。
「もともと藤枝は日本屈指のサッカーどころ。身体を張ったヘディングでのクリア1つ出るだけでも拍手が贈られるような環境で、サッカーをよく理解している人が数多くいる土地柄なので、魅力的なサッカーじゃなければ認めてもらえない。エンターテイメントというのは、このクラブのフィロソフィーなんです。僕はそのことを脳裏に刻み込んで日々、指導するように心がけています。それが選手たちにも徐々に伝わっていったのかなと思います」と、須藤監督はしみじみと語る。
就任1年目はJ3で10位。昇格争いに加わることができなかったが、土台作りは着実に進んでいったという。
※第1回終了(全3回)
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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こうした仕掛けで選手たちの心を掴んでピッチに立つと、守備が圧倒的不利になる「4対9」やオールコートでの少人数ゲームなど、斬新なメニューを次々と取り入れた。そうして走力と判断力を向上させ、選手たちの意識を変えようと試みたのである。
「もともと藤枝は日本屈指のサッカーどころ。身体を張ったヘディングでのクリア1つ出るだけでも拍手が贈られるような環境で、サッカーをよく理解している人が数多くいる土地柄なので、魅力的なサッカーじゃなければ認めてもらえない。エンターテイメントというのは、このクラブのフィロソフィーなんです。僕はそのことを脳裏に刻み込んで日々、指導するように心がけています。それが選手たちにも徐々に伝わっていったのかなと思います」と、須藤監督はしみじみと語る。
就任1年目はJ3で10位。昇格争いに加わることができなかったが、土台作りは着実に進んでいったという。
※第1回終了(全3回)
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