自分の武器を最大限に活かしてゴールを狙う。
「他のメガスターとは異なり、マイアーのプレーにはほとんど意外性がない。だが、確実にネットを揺らしてみせる」
そう評したのはドイツの専門誌『エルフ・フロインデ』だ。もっともな指摘だろう。たしかにマイアーのプレーは良くも悪くもシンプルで、「驚き」が少ない。
無駄を削ぎ落とし、自分の武器を最大限に活かしてゴールを狙う。それこそが、マイアーのスタイルだ。巨躯を利した空中戦、敵DFの一瞬の隙を突く巧みなポジショニング、精度の高いミドルシュート。こうした得意技はいずれもリーグトップクラスのクオリティーを誇る。
興味深いのは、典型的なCFタイプでありながらトップ下でのプレーを好む点だろう。本格的にCFに固定されたのは昨シーズンから。現在33歳ながら成長の余地を残しており、フェー監督は「自分がどれだけのポテンシャルを秘めているのか、彼自身気付いていない」と語っている。
今シーズンのフランクフルトはいわば「マイアーのチーム」で、この絶対エースにどれだけ決定機を供給できるかが生命線となっている。ただ、現状では攻撃が機能しているとは言い難い。前述のヴォルフスブルク戦でのマイアーのボールタッチ数はわずかに26回。結果的に彼の決定力に救われたとはいえ、並みのストライカーならリズムに乗れず、イライラを募らせていたはずだ。
類稀な得点感覚を誇るマイアーのドイツ代表入りを望むファンは多い。しかし、当の本人は望み薄と見ているようで、代表の話題を振られても一笑に付すばかりだ。
たしかにそのプレースタイルは、ヨアヒム・レーブ監督が求めるCF像とは合致しない。それでも、試してみる価値はあるはずだ。マイアーほど得点の匂いを感じさせる選手は、ドイツ国内にそう多くいないのだから。
文:中野吉之伴
【著者プロフィール】
中野吉之伴/ドイツ・フライブルク在住の指導者。09年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの実地研修を経て、現在はFCアウゲンのU-19(U-19の国内リーグ3部)でヘッドコーチを務める。77年7月27日生まれ、秋田県出身。
そう評したのはドイツの専門誌『エルフ・フロインデ』だ。もっともな指摘だろう。たしかにマイアーのプレーは良くも悪くもシンプルで、「驚き」が少ない。
無駄を削ぎ落とし、自分の武器を最大限に活かしてゴールを狙う。それこそが、マイアーのスタイルだ。巨躯を利した空中戦、敵DFの一瞬の隙を突く巧みなポジショニング、精度の高いミドルシュート。こうした得意技はいずれもリーグトップクラスのクオリティーを誇る。
興味深いのは、典型的なCFタイプでありながらトップ下でのプレーを好む点だろう。本格的にCFに固定されたのは昨シーズンから。現在33歳ながら成長の余地を残しており、フェー監督は「自分がどれだけのポテンシャルを秘めているのか、彼自身気付いていない」と語っている。
今シーズンのフランクフルトはいわば「マイアーのチーム」で、この絶対エースにどれだけ決定機を供給できるかが生命線となっている。ただ、現状では攻撃が機能しているとは言い難い。前述のヴォルフスブルク戦でのマイアーのボールタッチ数はわずかに26回。結果的に彼の決定力に救われたとはいえ、並みのストライカーならリズムに乗れず、イライラを募らせていたはずだ。
類稀な得点感覚を誇るマイアーのドイツ代表入りを望むファンは多い。しかし、当の本人は望み薄と見ているようで、代表の話題を振られても一笑に付すばかりだ。
たしかにそのプレースタイルは、ヨアヒム・レーブ監督が求めるCF像とは合致しない。それでも、試してみる価値はあるはずだ。マイアーほど得点の匂いを感じさせる選手は、ドイツ国内にそう多くいないのだから。
文:中野吉之伴
【著者プロフィール】
中野吉之伴/ドイツ・フライブルク在住の指導者。09年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの実地研修を経て、現在はFCアウゲンのU-19(U-19の国内リーグ3部)でヘッドコーチを務める。77年7月27日生まれ、秋田県出身。