• トップ
  • ニュース一覧
  • 【ブンデス現地コラム】長谷部所属のフランクフルトはいわば「マイアーのチーム」。異色の点取り屋の魅力とは?

【ブンデス現地コラム】長谷部所属のフランクフルトはいわば「マイアーのチーム」。異色の点取り屋の魅力とは?

カテゴリ:連載・コラム

2016年01月28日

自分の武器を最大限に活かしてゴールを狙う。

昨シーズンは自己最多の19ゴールを挙げ、得点王を獲得。ドイツ代表入りを望むファンは少なくない。(C)Getty Images

画像を見る

「他のメガスターとは異なり、マイアーのプレーにはほとんど意外性がない。だが、確実にネットを揺らしてみせる」

 そう評したのはドイツの専門誌『エルフ・フロインデ』だ。もっともな指摘だろう。たしかにマイアーのプレーは良くも悪くもシンプルで、「驚き」が少ない。

 無駄を削ぎ落とし、自分の武器を最大限に活かしてゴールを狙う。それこそが、マイアーのスタイルだ。巨躯を利した空中戦、敵DFの一瞬の隙を突く巧みなポジショニング、精度の高いミドルシュート。こうした得意技はいずれもリーグトップクラスのクオリティーを誇る。

 興味深いのは、典型的なCFタイプでありながらトップ下でのプレーを好む点だろう。本格的にCFに固定されたのは昨シーズンから。現在33歳ながら成長の余地を残しており、フェー監督は「自分がどれだけのポテンシャルを秘めているのか、彼自身気付いていない」と語っている。

 今シーズンのフランクフルトはいわば「マイアーのチーム」で、この絶対エースにどれだけ決定機を供給できるかが生命線となっている。ただ、現状では攻撃が機能しているとは言い難い。前述のヴォルフスブルク戦でのマイアーのボールタッチ数はわずかに26回。結果的に彼の決定力に救われたとはいえ、並みのストライカーならリズムに乗れず、イライラを募らせていたはずだ。

 類稀な得点感覚を誇るマイアーのドイツ代表入りを望むファンは多い。しかし、当の本人は望み薄と見ているようで、代表の話題を振られても一笑に付すばかりだ。

 たしかにそのプレースタイルは、ヨアヒム・レーブ監督が求めるCF像とは合致しない。それでも、試してみる価値はあるはずだ。マイアーほど得点の匂いを感じさせる選手は、ドイツ国内にそう多くいないのだから。

文:中野吉之伴

【著者プロフィール】
中野吉之伴/ドイツ・フライブルク在住の指導者。09年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの実地研修を経て、現在はFCアウゲンのU-19(U-19の国内リーグ3部)でヘッドコーチを務める。77年7月27日生まれ、秋田県出身。
 

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ