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「これがコリンチャンスです。」ブラジルの名門が発表した“日本語ぎっしりユニ”に予約殺到! なぜ斬新デザインが人気なのか【現地発】

カテゴリ:ワールド

リカルド・セティオン

2022年09月30日

もれなく日の丸付きのハンガーがついてくる

 日本の方々から見たら斬新に映るかもしれないが、ブラジル人にとってこれはとてもエキゾチックでクールだ。実際、発売はまだだが、すでに予約が殺到しており、しばらくは商品が届くまでに時間がかかるという。

 期間限定のコレクションアイテムとしても人気なのだろう。レプリカは希望小売価格200レアル(約5500円)、オーセンティックならその倍。子供用もサイズもある。店舗で購入した場合は、もれなく日の丸付きのハンガーがついてくるそうだ。また同じ色、柄でゲームパンツもあるようだが、これは試合で着用するかはわからない。ただコリンチャンスのマーケティング担当は、売れ行き次第ではこのデザインでいろいろなグッズも作りたいと考えているようだ。
 
 コリンチャンスが特別ユニホームを作るのはこれが初めてではない。例えば2019年にはInvasao(来襲)という名前のセカンドユニホームが作られた。これは敵地や中立地において、多くのコリンチャンスサポーターが押し掛けた試合を記念して製作されており、1976年のカンピオナート・ブラジレイロ決勝、2000年のクラブワールドカップ決勝のマラカナスタジアム、そして2012年の横浜のサポーターの画像がプリントされていた。どれも驚くほどの数のサポーターが敵を圧倒したことで歴史に残る有名なゲームだ。
 
 ちなみに2012年クラブワールドカップの決勝には、3万5000~4万人のサポーターが、はるばる地球の裏側の日本まで押し寄せた。私も取材のため日本に向かったのだが、出発前のサンパウロの空港は、まるでスタジアムのようだったのを今でも覚えている。

 コリンチャンーノは多くがブルーカラーで、あまり裕福ではない。どうしてこれほどの数が日本まで来られたのか不思議だったが、尋ねてみると家や車を売って、旅費を捻出したという者も少なくなかった。

 今回の日本語ユニホームは、コリンチャーノのそんな想いをのせている。

文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。

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