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【藤田俊哉の目】ドイツ遠征で序列が変化したと感じたポジションは2つ。「堂安―三笘」のセット起用は大きなオプションに

カテゴリ:連載・コラム

藤田俊哉

2022年09月30日

チームの課題は空席のワントップ

“右”で作って“左”で仕留める。三笘(左)と堂安(右)のセット起用は、ゴールを奪いたい時の強力な武器になるはずだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 話はそれるが、三笘薫も同じくゴールの匂いを感じる選手。しかし、エクアドル戦でのプレーを見るかぎり、スペースが生まれる終盤で起用し、スーパーサブとして彼の良さを活かしたほうが相手にとって脅威となる。

 ワールドカップに向けた“組み合わせ”を見れば、三笘と堂安律のセット起用はゴールを奪いたい時の大きな武器になりえる。堂安をワントップに起用する戦術における化学反応も興味深いが、最大の武器である「カットインからのシュート」を引き出すには、慣れ親しんだ右サイドでプレーさせたほうが賢明だろう。

 アメリカ戦では後半の途中から、エクアドル戦ではスタートから堂安と三笘のセットで臨んだが、「右サイドでゲームを作って左サイドで仕留める」というチームスタイルが確立されていた。ボールをキープできる堂安が単独でカットインしてシュートを打ってもいいし、左サイドへワンステップでサイドチェンジすれば、フリースペースで三笘が「1対1」で勝負できる状況を作り出すことができる。

 エクアドル戦ではノーゴールに終わったが、ゴールを奪いに行きたい状況下では、特にこのセットは大きなオプションとなる。

 一方、チームの課題に目を向ければ、ワントップが空席であることだ。

 このドイツ遠征で、目に見える結果を残したフォワードはいなかったが、ワールドカップの初戦・ドイツ戦にすべてを賭ける必要があるとすれば、アメリカ戦でスタメン出場した前田大然のチェイシングはチームにとっての生命線だろう。もちろん怪我から復帰すれば、パワーと走力の点で浅野拓磨のほうが、さらにチームのチェイシング力が高まるかもしれない。

 エースストライカーがいないなか、ワールドカップを制した国は思い当たらない。長期的視野に立って、世界に渡り合えるストライカーを育てなければならないことを考えると、10代のフォワードを思い切って抜擢するのも一案だろう。

 しかし、近未来のカタール大会に限って言えば、それを言っても仕方がない。
 
 エースストライカー不在のなか、どう勝ち上がればいいのか。その視点で考えると、ドイツに勝つために森保監督はあらゆるイメージを想定していると思うが、無失点の時間を長く保ち、後半の勝負どきに「堂安―三笘」のセット起用などでいかに1点を奪うか、といったプランが現実的。

 また、今回のワールドカップは、選手交代枠は「3人」から「5人」まで拡大される。普通に考えれば、クオリティの高い選手を多く抱えるドイツやスペインなどサッカー大国に有利に働くことは間違いない。そうした相手の動き(自由)を封じるためにも、インテンシティを高く保つ必要がある。

 日本は、自陣ゴール前で待ち構えて屈強な攻撃を跳ね返すスタイルではない。守備のファーストステップとして「前線のプレス」を効かせる必要があるから、堂安をワントップで起用する選択は現実的とは言えなくなったが、それでも見てみたい気持ちは強い。

 そのファーストチョイスはアメリカ戦で実績を示した前田なのか、あるいは怪我からの復帰を目ざす浅野や、実績十分な大迫となるのか注目は高まる。

【著者プロフィール】
藤田俊哉(ふじた・としや)/1971年10月4日生まれ、静岡県出身。清水商高―筑波大―磐田―ユトレヒト(オランダ)―磐田―名古屋―熊本―千葉。日本代表24試合・3得点。J1通算419試合・100得点。J2通算79試合・6得点。J1では、ミッドフィルダーとして初めて通算100ゴールを叩き出した名アタッカー。2014年からオランダ2部VVVフェンロのコーチとして指導にあたり、2016-17シーズンのリーグ優勝と1部復帰に導いた。以後、イングランドのリーズ・ユナイテッドや日本サッカー協会のスタッフなどを歴任。今年9月に古巣・磐田のスポーツダイレクターに就任した。

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