積み上げはどこへ行ったのか…精神的な脆さも垣間見えた。
「陣形が間延びしてしまっていた。距離感が空いてしまったせいで、2点目、3点目と続けざまに奪われてしまった。(1失点を喫した後で)割り切って守備をするという考え方が必要だったのかな、と」(渡部)
「自分たちで試合を難しくしまった。FWの(守備の)位置が少し下がりすぎだったこともあって、(予測が立たずにポジショニングが難しく)ボールに対して出ていく距離が遠かった。連動の部分で良くなかったとは思う。ただ、そういうなかでもブロックをしっかりと組んで、我慢強くできなければならない」(富田)
選手たちもファーストディフェンダーが決まらない故の陣形の間延びを感じてはいたようだ。だが、チームを引っ張る立場としての責任を口にした富田が言うように「ハマらなかった時の違うパターン」に移行できれば……。そういう意味でも、やはり課題はコントロールとなるのか。
しかし、ある選手がそれ以外の根本的な問題点を指摘した。「正直な話、試合のなかでも練習のなかでも勝てる雰囲気がない。チームとして、もっと活気を持たなければ。原点に戻って仙台のサッカーを見つめ直すべきだし、メンタル的な部分も考えなければならない」。唇を噛んで吐露した心情には、現状に対する悔しさが見て取れた。
仙台は選手の負傷離脱によるスタメン変更ぐらいしか大きな変化点はない。前節まで確実にあった戦術や戦略の蓄積はどこに行ってしまったのか。なぜ、前節までと180度打って変わって、戦えなかったのか。根底に「1対1で戦えていなかった」という欠陥はあったものの、それにしても積み木を一気に崩した駄々っ子のような成す術のなさだ。
その諸々はつまり、チームの内面、奥底に潜んだ勝利が遠い現状に対する自信喪失に集約されるのではないだろうか。この敗戦により第2ステージのの順位は変わらずに最下位で、年間でも16位の松本に勝点差3の14位に落ちた。もはや一刻の猶予もない。まずはひとつ勝つこと。結果のみが求められる位置に下がったのだ。
戦術や戦略やその他の技術的な部分の改善、立ち返りはもちろん行なうべきだ。だが、それ以前に「勝利への渇望」と「勝利への自信」が必須。それを取り戻せなければ、昨季以上の苦戦が待ち構えている。そんな気がしてならない。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
「自分たちで試合を難しくしまった。FWの(守備の)位置が少し下がりすぎだったこともあって、(予測が立たずにポジショニングが難しく)ボールに対して出ていく距離が遠かった。連動の部分で良くなかったとは思う。ただ、そういうなかでもブロックをしっかりと組んで、我慢強くできなければならない」(富田)
選手たちもファーストディフェンダーが決まらない故の陣形の間延びを感じてはいたようだ。だが、チームを引っ張る立場としての責任を口にした富田が言うように「ハマらなかった時の違うパターン」に移行できれば……。そういう意味でも、やはり課題はコントロールとなるのか。
しかし、ある選手がそれ以外の根本的な問題点を指摘した。「正直な話、試合のなかでも練習のなかでも勝てる雰囲気がない。チームとして、もっと活気を持たなければ。原点に戻って仙台のサッカーを見つめ直すべきだし、メンタル的な部分も考えなければならない」。唇を噛んで吐露した心情には、現状に対する悔しさが見て取れた。
仙台は選手の負傷離脱によるスタメン変更ぐらいしか大きな変化点はない。前節まで確実にあった戦術や戦略の蓄積はどこに行ってしまったのか。なぜ、前節までと180度打って変わって、戦えなかったのか。根底に「1対1で戦えていなかった」という欠陥はあったものの、それにしても積み木を一気に崩した駄々っ子のような成す術のなさだ。
その諸々はつまり、チームの内面、奥底に潜んだ勝利が遠い現状に対する自信喪失に集約されるのではないだろうか。この敗戦により第2ステージのの順位は変わらずに最下位で、年間でも16位の松本に勝点差3の14位に落ちた。もはや一刻の猶予もない。まずはひとつ勝つこと。結果のみが求められる位置に下がったのだ。
戦術や戦略やその他の技術的な部分の改善、立ち返りはもちろん行なうべきだ。だが、それ以前に「勝利への渇望」と「勝利への自信」が必須。それを取り戻せなければ、昨季以上の苦戦が待ち構えている。そんな気がしてならない。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)