守田が語った「4-3-3」の消化不良感
ベトナム代表は、パク・ハンソ監督が大きく飛躍させたチームだと言われている。確かにタイなどを抑えて最終予選に勝ち進んだわけで結果は出ているが、現地の選手たちの特質を考えれば、長所を引き出しているとは言い難い。5バックの中央3人は、日本が前線から詰めてこなければ横パスも使うが、基本的には最終ラインに降りてくるアンカーのグエン・トゥアン・アインも含めて、中盤を飛ばしてロングボールを放り込むし、それはGKの選択も同じだ。
こうしてスピードのある2トップに裏を狙わせる古典的スタイルで、大半は日本にはね返され、前後半を通してペナルティエリアには2度(前半はゼロ)しか侵入できていない。逆に決勝ゴールは、GKのパントキックをはね返されたところから日本の攻撃が始まった。
それは日本が堅実な試合をできた理由でもある。ただし勝った日本も、ボックス内には20回以上侵入し、セットプレーを含めて30本近いクロスを送りながら、結実したのは先制シーンだけだった。試合後に守田英正が語ったように「4-3-3の特徴は理解」しつつも、それを表現し切れたかと言えば「全然です」と、ピッチ上で戦う選手たちには消化不良感の残る試合となったようだ。
こうしてスピードのある2トップに裏を狙わせる古典的スタイルで、大半は日本にはね返され、前後半を通してペナルティエリアには2度(前半はゼロ)しか侵入できていない。逆に決勝ゴールは、GKのパントキックをはね返されたところから日本の攻撃が始まった。
それは日本が堅実な試合をできた理由でもある。ただし勝った日本も、ボックス内には20回以上侵入し、セットプレーを含めて30本近いクロスを送りながら、結実したのは先制シーンだけだった。試合後に守田英正が語ったように「4-3-3の特徴は理解」しつつも、それを表現し切れたかと言えば「全然です」と、ピッチ上で戦う選手たちには消化不良感の残る試合となったようだ。
しかし反面、あまりに予想通りの采配は、決勝戦を意味するオマーン戦のためには良い布石となったのかもしれない。ベトナムは伊東純也のスピードにお手上げだったが、こういう相手にはうってつけの三笘薫や前田大然などはベンチに置いたままだった。1ゴールに終わった試合で追加点が課題に挙げられるのは世の常だが、再現性が薄いとはいえ伊東の幻になったスーパーゴールは、滅多にオフサイドで取り消される類のものではなく、2-0になっていればだいぶ印象も変わった。
次のオマーン戦は相手にとっても決勝戦同等で、負ければ終戦に繋がる剣が峰の試合になる。森保監督は、相手に情報が薄い三笘や前田を隠したままで「予選」を通過できたわけだが、それは「決勝戦」で上手く活用してこそ意味が出てくる。
指揮官にとってもオマーン戦は短期的には「決勝戦」だが、最終予選全体を俯瞰(ふかん)すれば超えなければ次がない「予選」である。
文●加部 究(スポーツライター)
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文●加部 究(スポーツライター)
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