強さと怖さが光る原石は入団会見で東京五輪出場を宣言
日本が誇る韋駄天がゴールへと一直線に駆け抜けた。グループステージ最終節のフランス戦。
後半の80分からピッチに立ち、迎えたアディショナルタイムだった。ロングボールに走り込んだ相馬勇紀からの斜めのスルーパスを、前田大然は、ファーサイドからダイレクトで流し込んだ。
フランスにトドメを差すチーム4点目は、自身にとって五輪初ゴール。ネットを揺らすなり、彼はボールをシャツの中に入れた。
「赤ちゃんのためにやりました」
2019年の南米選手権の最中に愛娘が誕生し、現在は愛妻に第二子の長男が宿る。出産予定日は8月末。愛息への一足早いプレゼントだった。
動物病院を経営する母と獣医の父の下に5人兄弟の2番目、長男として産まれた前田は、自分のやりたいことをのびのびとやってほしいという両親の方針から、大自然にちなんで「大然」と名付けられた。
その名の通り大然少年は、自然の中でのびのび育つ。大阪府と奈良県にまたがる実家近くの二上山に上り始めたのは2歳の頃。それから小学校に入学するまで毎朝、片道1時間の山道を走って登り下りし、現在へとつながるバネを身に付けた。
後半の80分からピッチに立ち、迎えたアディショナルタイムだった。ロングボールに走り込んだ相馬勇紀からの斜めのスルーパスを、前田大然は、ファーサイドからダイレクトで流し込んだ。
フランスにトドメを差すチーム4点目は、自身にとって五輪初ゴール。ネットを揺らすなり、彼はボールをシャツの中に入れた。
「赤ちゃんのためにやりました」
2019年の南米選手権の最中に愛娘が誕生し、現在は愛妻に第二子の長男が宿る。出産予定日は8月末。愛息への一足早いプレゼントだった。
動物病院を経営する母と獣医の父の下に5人兄弟の2番目、長男として産まれた前田は、自分のやりたいことをのびのびとやってほしいという両親の方針から、大自然にちなんで「大然」と名付けられた。
その名の通り大然少年は、自然の中でのびのび育つ。大阪府と奈良県にまたがる実家近くの二上山に上り始めたのは2歳の頃。それから小学校に入学するまで毎朝、片道1時間の山道を走って登り下りし、現在へとつながるバネを身に付けた。
山梨学院高時代まではほぼ無名の存在で、大学進学を考えていた頃に唯一声を掛けてくれたのが松本山雅FC。素質を見抜いたのが当時の監督・反町康治氏(現日本協会技術委員長)だ。同氏は「今の若手はオフ・ザ・ボールでタイミングよく抜け出すのが得意じゃないが、あいつには染みついている天性の勘みたいなものがあった」と振り返る。
荒削りながら強さと怖さが光る原石は、入団会見で東京五輪出場を宣言した。それまで代表歴がなく、周囲を驚かせたこの野望はしかし、6年半の時を経て現実のものとなった。
ゴールを決めたフランス戦後、時間が経つにつれ感慨が沸いてきたという。
「正直あまり実感はなかったんですけど、試合後にたくさん連絡が来ていて」
そのひとりが、いつもは寝ている時間帯に起きていてくれた愛娘。大舞台で確かな足跡を残したFWは、「嬉しかった」とはにかんだ。
構成●サッカーダイジェスト編集部
【五輪代表PHOTO】U-24日本 4-0 U-24フランス|久保の3戦連発弾などフランス相手に4発快勝!3連勝でGS突破!
荒削りながら強さと怖さが光る原石は、入団会見で東京五輪出場を宣言した。それまで代表歴がなく、周囲を驚かせたこの野望はしかし、6年半の時を経て現実のものとなった。
ゴールを決めたフランス戦後、時間が経つにつれ感慨が沸いてきたという。
「正直あまり実感はなかったんですけど、試合後にたくさん連絡が来ていて」
そのひとりが、いつもは寝ている時間帯に起きていてくれた愛娘。大舞台で確かな足跡を残したFWは、「嬉しかった」とはにかんだ。
構成●サッカーダイジェスト編集部
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