■平和と希望をデザインしたピースユニフォーム

　ピースマッチに出場する両県の選抜チームが着用するユニフォームは、エキップメントパートナーで、被爆70年となる2015年よりピースユニフォームを発表し続けてきたヒュンメルが製作。原子爆弾の被爆地である広島県と長崎県が、同じ「核兵器のない世界」というゴールに向かって、70年以上の歩みを続けてきたことを受け、広島は長崎の、長崎は広島の平和への願いを背負うデザインとし、広島のユニフォームの前面には原爆ドーム、背面には平和祈念像を、長崎のユニフォーム前面には平和祈念像、背面には原爆ドームがプリントされている。

　また、原爆ドームと平和祈念像の周りには、花言葉が「平和」や「希望」を意味するデイジーを配置。原爆ドームの周りには6輪、平和祈念像の周りには9輪の花を咲かせ、8月6日と8月9日をイメージ。平和や希望が広がる様子を表現し、スポーツを通した平和を考えるきっかけになるようにしている。

　広島県サッカー協会の宗政副会長は、2024年に予定されている新スタジアムにも触れ、「平和公園からスタジアムも近く、一体感が出て発信力も強まると思います。サッカー御三家と呼ばれ、サッカーの強豪地域として知られてきた被曝地の広島が、サッカーを通して平和を発信していきたい」と力強く語った。

　8月7日にはピースマッチ以外に、U-18男子とU-15女子の各4チームによるリーグ戦と、小学生16チームによる大会も行われ、約500人の選手が参加。試合以外に碑巡りなどで平和学習も行なう。

　多くの若者が、今大会を通じて「スポーツができる平和」を体感し、未来へ世界へと繋いでいってくれることになるだろう。