弱体化の不安を乗り越えた勝者と勝負に彩りを添えた良き敗者。


毎シーズン、主力の放出を余儀なくされながら、魅力的なサッカーで歴史的偉業を成し遂げたセビージャ。エメリ監督やフロントの功績は非常に大きい。もちろん、指揮官の理想をピッチ上で体現した選手も、である。 (C) Getty Images
ヨーロッパリーグ(EL)決勝は、スペインのセビージャがウクライナのドニプロを3-2で下し、2年連続、そしてUEFAカップ時代を含めて大会史上最多となる4回目の優勝を果たした。
堅守のドニプロに対し、セビージャは多彩なパスワークで対抗し主導権を握ったが、7分にロングパスで左サイドを抜け出したマテウスのクロスをニコラ・カリニッチに頭で決められ、あっさりと先制を許した。
しかしセビージャはこれで怯むことなく、再三ドニプロ陣内に攻め入って徐々に得点に近づいていく。そして28分、ショートコーナーからドニプロゴール前で混戦となったところを、グジェゴシュ・クリホアビアクが蹴り込んで同点とした。
さらにその3分後、ホセ・アントニオ・レジェスの鋭いスルーパスで抜け出したカルロス・バッカが、準決勝でナポリ相手にスーパーセーブを連発したドニプロGKデニス・ボイコを簡単にかわしてゴールに流し込む。
戦前の予想では有利と見られていたセビージャが逆転に成功したが、ドニプロもファイナリストとしての実力を見せ、前半終了間際の44分にルスラン・ロタンの巧みなFKで追いついた。
後半に入ると、セビージャの攻撃とドニプロの守備がより際立つようになり、勝負を決めるであろう次の1点をめぐる争いが熾烈さを増していく。
そして73分、ヴィトロのパスで抜け出したバッカが再びドニプロゴールを攻略し、セビージャが勝ち越しに成功。これが決勝点となった。
この一戦、両チームとも過剰に慎重になることなく、高い集中力を保ちながら互いの持ち味を発揮したことで、カップ戦の決勝としては珍しく前半から多くのゴールが生まれ、内容的にも見ごたえのある戦いとなった。
試合終了間際にはマテウスがピッチに倒れ込み、担架で運び出されるというアクシデントに場内も騒然としたが、ドニプロは10人となっても最後まで諦めることなく、同点ゴールにあと一歩まで迫り、グッドルーザーとして白熱した名勝負にさらなる彩りを添えた。
一方、ユベントス、インテル、リバプールを差し置いて史上最多となる4度目の大会優勝を果たしたセビージャ。ファンデ・ラモス監督時代の2005-06、06-07シーズンに2年連続優勝を飾って以来、2度目の連覇である。
セビージャは昨シーズン、繰り上げでEL出場権を得、準決勝のバレンシア戦では第2レグでステファン・エムビアが奇跡のロスタイム弾を決めて劇的に勝ち抜け、そしてベンフィカとの一戦ではPK戦にもつれ込む激闘の末にタイトルを勝ち取った。
今シーズンはグループリーグでフェイエノールトに首位を譲るも、危なげなく勝ち上がり、トーナメントに入ってからはボルシアMG(1-0、3-2)、ビジャレアル(3-1、2-1)、ゼニト(2-1、2-2)、フィオレンティーナ(3-0、2-0)相手に文句なしの成績を収め、決勝でも内容の伴った勝利を飾った。
昨シーズンはアルバロ・ネグレードとヘスス・ナバス、今シーズンもイバン・ラキティッチ、アルベルト・モレーノ、フェデリコ・ファシオと、オフに主力選手を放出して弱体化が懸念されながら、ウナイ・エメリ監督の見事な手腕、そして好選手によるハイレベルな組織力で、セビージャはワルシャワの地で大偉業を成し遂げてみせた。
堅守のドニプロに対し、セビージャは多彩なパスワークで対抗し主導権を握ったが、7分にロングパスで左サイドを抜け出したマテウスのクロスをニコラ・カリニッチに頭で決められ、あっさりと先制を許した。
しかしセビージャはこれで怯むことなく、再三ドニプロ陣内に攻め入って徐々に得点に近づいていく。そして28分、ショートコーナーからドニプロゴール前で混戦となったところを、グジェゴシュ・クリホアビアクが蹴り込んで同点とした。
さらにその3分後、ホセ・アントニオ・レジェスの鋭いスルーパスで抜け出したカルロス・バッカが、準決勝でナポリ相手にスーパーセーブを連発したドニプロGKデニス・ボイコを簡単にかわしてゴールに流し込む。
戦前の予想では有利と見られていたセビージャが逆転に成功したが、ドニプロもファイナリストとしての実力を見せ、前半終了間際の44分にルスラン・ロタンの巧みなFKで追いついた。
後半に入ると、セビージャの攻撃とドニプロの守備がより際立つようになり、勝負を決めるであろう次の1点をめぐる争いが熾烈さを増していく。
そして73分、ヴィトロのパスで抜け出したバッカが再びドニプロゴールを攻略し、セビージャが勝ち越しに成功。これが決勝点となった。
この一戦、両チームとも過剰に慎重になることなく、高い集中力を保ちながら互いの持ち味を発揮したことで、カップ戦の決勝としては珍しく前半から多くのゴールが生まれ、内容的にも見ごたえのある戦いとなった。
試合終了間際にはマテウスがピッチに倒れ込み、担架で運び出されるというアクシデントに場内も騒然としたが、ドニプロは10人となっても最後まで諦めることなく、同点ゴールにあと一歩まで迫り、グッドルーザーとして白熱した名勝負にさらなる彩りを添えた。
一方、ユベントス、インテル、リバプールを差し置いて史上最多となる4度目の大会優勝を果たしたセビージャ。ファンデ・ラモス監督時代の2005-06、06-07シーズンに2年連続優勝を飾って以来、2度目の連覇である。
セビージャは昨シーズン、繰り上げでEL出場権を得、準決勝のバレンシア戦では第2レグでステファン・エムビアが奇跡のロスタイム弾を決めて劇的に勝ち抜け、そしてベンフィカとの一戦ではPK戦にもつれ込む激闘の末にタイトルを勝ち取った。
今シーズンはグループリーグでフェイエノールトに首位を譲るも、危なげなく勝ち上がり、トーナメントに入ってからはボルシアMG(1-0、3-2)、ビジャレアル(3-1、2-1)、ゼニト(2-1、2-2)、フィオレンティーナ(3-0、2-0)相手に文句なしの成績を収め、決勝でも内容の伴った勝利を飾った。
昨シーズンはアルバロ・ネグレードとヘスス・ナバス、今シーズンもイバン・ラキティッチ、アルベルト・モレーノ、フェデリコ・ファシオと、オフに主力選手を放出して弱体化が懸念されながら、ウナイ・エメリ監督の見事な手腕、そして好選手によるハイレベルな組織力で、セビージャはワルシャワの地で大偉業を成し遂げてみせた。