【釜本邦茂】経験の差! U-24は点を取られた時間帯が問題。田川の球の置き方も…

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年06月03日

大きな差はなかった。ちょっとした精度だったり…

球際で競り合う田川(13番)と守田(7番)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 A代表とU-24日本代表の“兄弟対決”は、兄貴分のA代表が3対0で完勝したね。結果、試合内容ともにA代表の貫録勝ちといった感じところだ。

 異例の対戦は、A代表にとって大きなプレッシャーが掛かっていたはずだ。どうしても、年下のチームにやられてはいけないという見られ方をするし、自分たちもそう感じていただろう。球際でのボールの奪い合いでも、けっこう荒っぽさが出ていたし、お互いに負けたくないという強い気持ちが出ていた。そういう意味では、なかなか面白い試合ではあった。

 しかし、やはり経験の差は大きかった。U-24の一番の問題は試合の入り方、締め方という部分。点が入った時間帯を見ると、試合開始早々の2分、前半終了に近い41分、そしてまた後半序盤の52分。いずれも一番集中力を高めなければいけない時間帯に失点してしまっている。

 A代表としては、プレッシャーのかかる試合で開始早々にあれだけ簡単に点が取れて、すごく心に余裕が生まれたと思うよ。だから、前半の最初の方は重圧が解けたA代表がペースを握るような展開になっていた。しかもA代表はモンゴル戦、ミャンマー戦と二ケタ得点をマークしていて、点の取り方も分かってきている。自分たちで流れを引き寄せることができていた。
 
 一方でU-24はオーバーエイジの3人も入っていなかったことで、チームを締める存在がいなかった。どこか浮き足立って局面では後手に回るようなプレーが多かった。大きな差ではなかったと思う。ちょっとした精度だったり、いかにミスなくこなすかといったわずかな差だ。

 例えば、20分過ぎにU-24の田川がゴール前に抜け出してGKと1対1になったが、シュートを枠に入れられずミスしてしまった。ドリブルのタッチがわずかにずれて、シュートの時にしっかりと自分が蹴りやすい位置にボールを置けなかったからだ。こうした小さなミスが、結局は勝負を分ける差となってしまうんだ。ただ、若い選手だから、田川もこのミスを次にどう活かしていくのか注目して見ていきたいよ。

 完勝を飾ったA代表だけど、ここのところ楽に勝てる展開が多い印象だ。最終予選はこんなに簡単に勝てる相手ばかりじゃないはず。さらに強いチームと戦った時に、しっかり点が取れるのか。粘られて焦らされて、ゼロのまま終盤に入った時にどう戦うのか。厳しい戦いをここ最近は経験していないだけに、勝利しながらもちょっと不安だ。そういう意味でも、11日のセルビア戦は楽しみな試合だよ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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