新シーズンに向けて、新たなクラブとの契約を勝ち取るべく最後のアピールの場となるトライアウト。Jリーグは２月16日、そんなトライアウトにおいて、とある選手に密着したドキュメンタリー動画を公式YouTubeチャンネルにて公開した。

　2020年のJPFA（日本プロサッカー選手協会）によるトライアウトは、年末の12月24日・25日に行なわれた。世間はクリスマスに浮き立つなか、会場となった千葉・幕張の高松宮記念JFA夢フィールドには、来季の契約を目指して２日間で総勢91人の選手が集まった。

　動画では、そんな選手たちの中から、昨季は栃木SCに所属した榊翔太に密着。榊のこれまでのサッカー人生を振り返りながら、トライアウト直前の様子から当日のプレーぶりも専用カメラで追い続け、様々な想いを抱えながら戦いに挑む一選手の物語を描いている。

　動画の中に出演する榊以外の人物の言葉も興味深い。榊をコンサドーレ札幌時代にU-18からトップに引き上げ、その能力を大いに買っていたのは札幌GMの三上大勝氏。そのコメントからは、今もなお榊に対して出身選手としての深い愛情が感じられる。また、榊がオーストリアのSVホルンに移籍したタイミングで入籍した妻の唯さんとのツーショットでのインタビューも見どころ。出会いから移籍した際の想い、そしてトライアウトへ挑む夫へのエール……。

　果たして、榊はトライアウトでいかなるパフォーマンスを見せたのか。プレー後には、なにやら親しげに声を掛けてくる人物も。すでに新天地で活動している榊だが、ドキュメンタリーだけに次なる契約を掴むことができるのかという不安もあるなか、すべてを出し切ったような清々しい表情も印象的だ。

　動画には、すでに多くのファンから反響があり、「なんとなく触れてはいけない部分だと思っていたので、こういった動画は嬉しいです」「感動するねぇ サッカーももっとこういうの注目してほしい 榊選手がんばれ！」「これはいい動画だった。 もっといろんな選手のが見てみたい」「榊選手、長野パルセイロと長野にようこそ！J2に長野を連れて行ってください！」など、ポジティブなコメントが並んだ。

　また動画のナレーションは、ペナルティーのワッキーさん。昨年６月に中咽頭がんのステージ１であることを告白し、一時芸能活動を休止していたが、２月14日に仕事復帰を発表していた。お笑いの時とはまったく異なる真面目なテンションで、動画にいっそうのシリアス感を与えているのは新鮮だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【トライアウトPHOTO】榊選手も登場した2020ＪＰＦＡトライアウト２日目