鹿島のゴールマウスを託される沖悠哉。試合に出続けて「分かってきたこと」とは?

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年12月16日

「でもキーパーとして一番求められているのは――」

今季途中から正GKの座につく21歳の沖。最終節のC大阪戦に向けては「勝つしかない」と意気込む。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 4-0で完封した前々節の浦和戦に続き、前節の清水戦も2-0と零封で勝点3を掴んだ。2試合連続クリーンシート達成は今季初で、ここに来て守備の充実ぶりが際立っている。

 12月16日のオンライン取材に応じたGKの沖悠哉は、現状について「ディフェンス陣が評価されがちですけど、前線からの守備だったり、そういうのがあっての無失点の勝利だと思っています」と振り返る。チーム全体のハードワークが結果に結びつき、「良い雰囲気でできている」と好感触を得ているようだ。

 チームメイトの健闘を称える沖だが、自身のパフォーマンスもより安定感が増し、無失点に尽力しているのは間違いない。浦和戦では、少なくとも二度の好守で危ない場面を切り抜けた。清水戦では「あまりシュートが飛んでこなかったのもある」とはいえ、時に厳しさも伴った熱心なコーチングでピンチを未然に防ぐ姿があった。

 プロ3年目の今季、9節・鳥栖戦で待望のデビューを飾ると、12節・G大阪戦からは不動のレギュラーとしてゴールマウスに立つ。果敢なセービングや落ち着き払った対応に加え、持ち味の正確なキックを武器にビルドアップでも貢献。最後尾からの配球に関して意識していることについて訊けば「意識というより、分かってきたことのほうが多い」と答えて、次のように続ける。

「試合に出始めて何が変わったかと言えば、状況判断だと思っています。つなぐのか、長いボールを入れるのか、自分がチャレンジしていいのか、それとも、一度ラインを押し上げて、同サイドに寄せてセカンドボールを拾いやすくする時間帯なのか。そういうのが、自分でも少しずつ分かるようになってきました」

 先輩たちからの助言もある。

「経験ある(三竿)健斗君だったり、ワン君(犬飼智也)だったり、前線の(土居)聖真君とかも『この時間帯はつないでもよかったよ』みたいに言ってくれて、勉強になります」

 実戦を重ねるごとに、判断力はさらに高まり、ビルドアップのスキルも磨かれているのだろう。もっとも、GKとしての本業は忘れていない。
 
「でもキーパーとして一番求められているのは、失点をしないことだと思っているので」

 それが体現できている今、若き守護神は確かな手応えを感じ、自信もますますつき始めているはずだ。ACLの出場権獲得が絡んでくる最終節のC大阪戦でも、最後の砦として逞しいプレーを見せてほしい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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