［Ｊ１リーグ第18節］Ｇ大阪 ２－１ 名古屋／９月23日／パナスタ

　ホーム３連敗中のガンバ大阪は必勝を期し、エースの宇佐美を今季初めてスタメンから外す荒療治に出た。代わって先発に指名されたパトリックを基準点に、厚みのあるチームアタックを意図する。

　しかし、ボールポゼッションで名古屋グランパスを上回りながらもアタッキングサードでのアイデアが乏しく、なかなかペナルティエリア内に踏み込めない。次第にパトリックめがけての中距離パスが増える展開となり、大味な拙攻に終始していく。

　11分に左サイドの攻略から金崎がビッグチャンスを掴んでいた名古屋は、選手個々の運動量が多く、局面で常に数的優位を確保。そして21分、Ｇ大阪ＤＦ陣の連携ミスで得た右ＣＫから願ってもない先制点をもぎ取る。相馬のキックをニアで米本がすらし、飛び込んだ金崎がしっかりと蹴り込んだ。

　ここからペースは名古屋に傾く。小気味良いショートカウンターを繰り出す場面が目立ち、37分にはマテウスが抜け出して渾身のショットを放つ。ＧＫ東口の股間を抜けたショットは惜しくもバーに阻まれ、追加点とはならなかった。
 

　後半に入っても攻撃の閉塞感が拭えないホームチーム。そんな嫌なムードを断ち切ったのが、大卒ルーキーの山本だった。53分、ゴール前20メートルの位置で得た直接ＦＫを壁に当てながらもねじ込み、起死回生の同点弾を決めてみせたのだ。

　Ｇ大阪は２ボランチの井手口と山本がより高い位置取りを心掛け、より攻守両面で存在感を示していく。２トップに当てた落としをチームとして拾えるようになり、全体のラインの押し上げに成功。次第に持ち味のハイプレスもはめ、名古屋の迅速なトランジションを封じ込めにかかった。

　しかしながら、ゲームは膠着状態に陥る。にわかに中盤での激しい潰し合いが続き、互いに好機を掴めない。勝負をかけたのはＧ大阪、宮本監督だ。76分、宇佐美、渡邉、遠藤を３枚替えで投じ、攻撃のギアを一気に高めた。

　百戦錬磨の遠藤と宇佐美を軸に名古屋ＤＦ陣を左右に揺さぶるＧ大阪。だがアウェーチームも守備に綻びは見せず、強度をいっさい落とさなかったが……。執念の一撃を決めたのは悔しい先発落ちを味わった宇佐美。86分、遠藤→小野瀬で右サイドを攻略し、ＧＫの出端で小野瀬が中央へパス。これを待ち受けた宇佐美が豪快にかつ冷静に右足で叩き込んだのだ。

　試合はそのまま２－１でタイムアップ。Ｇ大阪はおよそ２か月ぶりの連勝で、ホームの連敗を３で止めている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部