オビナとセットプレーの“二本柱”が機能すれば――。
記念すべきJ1初戦。古巣との開幕戦に臨んだ田中隼磨、豊田スタジアムのゴール裏スタンドを2階席まで埋め尽くした約1万人の緑のサポーター―─。話題性には事欠かない一戦で、松本は確かな「実り」を持ち帰った。
【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・1節
そもそも松本はボールを扱う技術がお世辞にも高いとは言えず、J2時代でさえボール支配率が50%を下回る試合は日常茶飯事。だからこそ反町監督は「J1での我々はなんとか守らなければいけないチーム」と、まずは守備面を整備してきた。
だがこの日、むしろ目立ったのは攻撃面ではないだろうか。最大の発見は、1ゴール・1アシストを記録した新戦力のブラジル人オビナだ。フラメンゴ時代にはブラジルカップを制し、バイエルンなど欧州からも興味を示された32歳。来日当初は体重100キロを超えていたが、キャンプで5キロほど絞って実戦モードに仕上げた。
この日は32分に、左CKから嬉しい来日初ゴール。62分には前線でボールを収めてから華麗にターンし、チャンスを演出した。さらに76分、ゴール前でこぼれ球を拾うと、フリーの喜山にパスを出してチームの3点目をアシスト。強靭なフィジカルと確かな技術を、“デビュー戦”で存分に披露した。
Jリーグが今季から取り入れたトラッキングシステムによると、トップスピードは名古屋の永井に並ぶ両チーム最速タイの33・7キロ。ヒートマップでのプレーエリアは広範囲に分布しており、攻守で献身的に動き回っていることも浮き彫りになった。
チームとしての収穫もあった。武器となるセットプレーはJ1で十分に通用する。この試合では、開幕前は封印していた岩上のロングスローを“解禁”。そしてスカウティングを基に、ニアを狙ったCKで2点を奪った。
オビナを軸としたシンプルかつダイナミックな攻撃と、J屈指の知将が伝授するセットプレー。この二本柱を機能させて少ない好機を活かせば、松本は大方の下馬評を覆して「トップ15」への道筋を見出せるのではないか。
「チャンスを活かしてゴールしたいし、仲間にゴールさせるプレーも必要。すべての面でチームのために戦いたい」
新助っ人の言葉が頼もしい。
取材・文:長谷川遼介(フリーライター)
【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・1節
そもそも松本はボールを扱う技術がお世辞にも高いとは言えず、J2時代でさえボール支配率が50%を下回る試合は日常茶飯事。だからこそ反町監督は「J1での我々はなんとか守らなければいけないチーム」と、まずは守備面を整備してきた。
だがこの日、むしろ目立ったのは攻撃面ではないだろうか。最大の発見は、1ゴール・1アシストを記録した新戦力のブラジル人オビナだ。フラメンゴ時代にはブラジルカップを制し、バイエルンなど欧州からも興味を示された32歳。来日当初は体重100キロを超えていたが、キャンプで5キロほど絞って実戦モードに仕上げた。
この日は32分に、左CKから嬉しい来日初ゴール。62分には前線でボールを収めてから華麗にターンし、チャンスを演出した。さらに76分、ゴール前でこぼれ球を拾うと、フリーの喜山にパスを出してチームの3点目をアシスト。強靭なフィジカルと確かな技術を、“デビュー戦”で存分に披露した。
Jリーグが今季から取り入れたトラッキングシステムによると、トップスピードは名古屋の永井に並ぶ両チーム最速タイの33・7キロ。ヒートマップでのプレーエリアは広範囲に分布しており、攻守で献身的に動き回っていることも浮き彫りになった。
チームとしての収穫もあった。武器となるセットプレーはJ1で十分に通用する。この試合では、開幕前は封印していた岩上のロングスローを“解禁”。そしてスカウティングを基に、ニアを狙ったCKで2点を奪った。
オビナを軸としたシンプルかつダイナミックな攻撃と、J屈指の知将が伝授するセットプレー。この二本柱を機能させて少ない好機を活かせば、松本は大方の下馬評を覆して「トップ15」への道筋を見出せるのではないか。
「チャンスを活かしてゴールしたいし、仲間にゴールさせるプレーも必要。すべての面でチームのために戦いたい」
新助っ人の言葉が頼もしい。
取材・文:長谷川遼介(フリーライター)