「ワールドクラスが一緒にプレーすればそうなるさ」
前半戦の最終戦、17節のマインツ戦をシャビ・アロンソは欠場した。前節のフライブルク戦で本人曰くふくらはぎを痛め、大事を取ったのだ。
シーズン開幕後の8月下旬にレアル・マドリーからやって来たアロンソは、バイエルンがこの10年間に獲得した新戦力のなかでもっとも重要なひとりだろう。
そのアロンソとバスティアン・シュバインシュタイガーが一緒にピッチに立ったのは、前半戦は結局、1試合だけだった。4-0で大勝した15節のアウクスブルク戦がその唯一の機会だった。
2010年のワールドカップ優勝メンバー(アロンソ)と2014年のワールドカップ優勝メンバー(シュバインシュタイガー)による夢のコラボレーションには、当初から懐疑的な目が向けられていた。チームを指揮するピッチ上のリーダーは、むしろぶつかり合ってうまく機能しないだろうと、エキスパートの多くが異口同音にそう指摘した。
しかし、ダブル司令塔はアウクスブルク戦で機能した。それも見事に機能した。それはクラブ首脳陣とチームメイトにとっては当然のことだったようだ。トーマス・ミュラーは言った。
「ワールドクラスが一緒にプレーすればそうなるさ」
そう、2人はワールドクラスなのだ。アロンソが欠場したマインツ戦では、シュバインシュタイガーが11月22日に復帰してから初めてのゴールを決め、逆転勝利への流れを作った。もちろん、ワールドクラスのゴールだった。
それにしても、中盤センターはジョゼップ・グアルディオラ監督にとっては頭の痛い問題だ。現在、故障者の続出でやり繰りに苦慮している一方で、怪我人がすべて復帰すれば今度は反対に人材がだぶつく。
ハビ・マルティネスが復帰した暁には、センターバックを任されるかもしれない。では、11月中旬に足を怪我するまでアロンソの隣で素晴らしいプレーをしていたフィリップ・ラームはどうなるのか? チアゴ・アルカンタラは? なんといってもチアゴは、グアルディオラがどうしてもと獲得を懇願した秘蔵っ子だ。
シュバインシュタイガー、アロンソ、ラーム、チアゴ。2つのポジションに、少なくとも4人のワールドクラスがひしめいているのだ。
ラームが復帰するのはおそらく3月になるが、彼は中盤右サイドでもプレーできるし、もともとは右サイドバックだ。ラームが右サイドバックに戻れば、シーズン前半戦のポジティブなサプライズだったラフィーニャがスタメンから外れる。
長期的にはペップはチアゴを使うだろう。となると、必然的にシュバインシュタイガーかアロンソかの二者択一になる。なんて残念なことだ。
いずれにしても、バイエルンには良い選手が揃いすぎている。それこそ、贅沢な悩みである。
それでは、読者の皆さま、よいお年を!
【記者】
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/アーベントツァイトゥング
1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。
【翻訳】
円賀貴子
シーズン開幕後の8月下旬にレアル・マドリーからやって来たアロンソは、バイエルンがこの10年間に獲得した新戦力のなかでもっとも重要なひとりだろう。
そのアロンソとバスティアン・シュバインシュタイガーが一緒にピッチに立ったのは、前半戦は結局、1試合だけだった。4-0で大勝した15節のアウクスブルク戦がその唯一の機会だった。
2010年のワールドカップ優勝メンバー(アロンソ)と2014年のワールドカップ優勝メンバー(シュバインシュタイガー)による夢のコラボレーションには、当初から懐疑的な目が向けられていた。チームを指揮するピッチ上のリーダーは、むしろぶつかり合ってうまく機能しないだろうと、エキスパートの多くが異口同音にそう指摘した。
しかし、ダブル司令塔はアウクスブルク戦で機能した。それも見事に機能した。それはクラブ首脳陣とチームメイトにとっては当然のことだったようだ。トーマス・ミュラーは言った。
「ワールドクラスが一緒にプレーすればそうなるさ」
そう、2人はワールドクラスなのだ。アロンソが欠場したマインツ戦では、シュバインシュタイガーが11月22日に復帰してから初めてのゴールを決め、逆転勝利への流れを作った。もちろん、ワールドクラスのゴールだった。
それにしても、中盤センターはジョゼップ・グアルディオラ監督にとっては頭の痛い問題だ。現在、故障者の続出でやり繰りに苦慮している一方で、怪我人がすべて復帰すれば今度は反対に人材がだぶつく。
ハビ・マルティネスが復帰した暁には、センターバックを任されるかもしれない。では、11月中旬に足を怪我するまでアロンソの隣で素晴らしいプレーをしていたフィリップ・ラームはどうなるのか? チアゴ・アルカンタラは? なんといってもチアゴは、グアルディオラがどうしてもと獲得を懇願した秘蔵っ子だ。
シュバインシュタイガー、アロンソ、ラーム、チアゴ。2つのポジションに、少なくとも4人のワールドクラスがひしめいているのだ。
ラームが復帰するのはおそらく3月になるが、彼は中盤右サイドでもプレーできるし、もともとは右サイドバックだ。ラームが右サイドバックに戻れば、シーズン前半戦のポジティブなサプライズだったラフィーニャがスタメンから外れる。
長期的にはペップはチアゴを使うだろう。となると、必然的にシュバインシュタイガーかアロンソかの二者択一になる。なんて残念なことだ。
いずれにしても、バイエルンには良い選手が揃いすぎている。それこそ、贅沢な悩みである。
それでは、読者の皆さま、よいお年を!
【記者】
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/アーベントツァイトゥング
1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。
【翻訳】
円賀貴子