呪われた中盤? ペップも意気消沈の怪我人続出【バイエルン番記者】

カテゴリ:メガクラブ

パトリック・シュトラッサー

2014年11月27日

いずれも長期離脱を強いられる重傷者ばかり。

右足首を骨折したラーム(左)も長期離脱。復帰したシュバインシュタイガー(右)は本調子には程遠い。中盤センターは選択肢が……。 (C) Getty Images

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 マンチェスター・シティにやられたチャンピオンズ・リーグでの敗北(2-3)は、バイエルンにとって19試合ぶりの黒星だった。ドイツ・スーパーカップでドルトムントに敗れてから無敗を保っていたこのチームも、負けることがあるというわけだ。
 
 シティ戦は、開始20分でメハディ・ベナティアが一発レッドで退場。終盤にはシャビ・アロンソとジェローム・ボアテングが致命的なミスを犯してゴールを献上した。1時間以上を10人で戦ったバイエルンはさすがに疲弊し、集中できていなかった。
 
 それよりも、深刻な問題を抱えている。怪我人が続出している中盤センターの駒不足だ。故障者リストに新たに加わったのが、キャプテンのフィリップ・ラームだ。練習中に右足首を骨折し、少なくとも3か月の欠場を余儀なくされた。
 
 中盤センターは、それこそ呪われたように怪我に祟られている。チアゴ・アルカンタラは、膝の靭帯損傷で今年の3月からピッチに立てていない。ジョゼップ・グアルディオラ監督の愛弟子であり、ビルドアップの中心としてチームをコントロールするはずの司令塔の離脱は、小さくない誤算だ。
 
 一昨シーズンのCL制覇に多大な貢献を果たしたハビ・マルティネスは、左膝の前十字靭帯断裂で開幕から欠場中。さらに、今シーズンから中盤センターの新境地を開拓したダビド・アラバも、膝の靭帯を損傷して少なくとも年明けまで戻ってこられない。
 
 ワールドカップの英雄バスティアン・シュバインシュタイガーこそ、膝の怪我からようやく復帰を果たしたが、本調子には程遠い状態だ。
 
 信じられないのは、筋肉系のトラブルといった比較的軽微な怪我ではなく、いずれも長期離脱を強いられる重傷だということだ。
「不運としか言いようがないが、サッカーでは起こりえることだ」
 と語るグアルディオラも、さすがに意気消沈した様子だ。
 
 グアルディオラは頭が痛いはずだ。なにしろ、誰をピッチに送り出すか、選択肢がないのだから。シティ戦でセバスティアン・ロデとピエール=エミル・ホイビェアという経験の浅い2人を起用したのは、そうせざるを得なかったからだ。33歳のシャビ・アロンソが毎試合出場しなければならない。
 
 19歳のホイビェアは出場機会を求めて移籍を希望しており、今冬の移籍マーケットでおそらくレンタルに出すことになるだろう。となると、中盤センターの選択肢がさらに減るわけだ……。
 
【記者】
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/アーベントツァイトゥング
1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。
【翻訳】
円賀貴子
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