本田&メネーズの連係の向上がミランに進化と勝利をもたらす

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2014年12月01日

バラバラにゴールを目指す間柄から好連係を見せるコンビへ。

先制のPKをもたらすファウルを導き出すなど、目に見える結果も残した本田。いつも以上にポジション移動も、効果的なプレーも多かった。 (C) Getty Images

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成長した姿を見せたメネーズだが、なかなかボールを手放さないのは相変わらず。2点目は90年イタリアW杯であのロベルト・バッジョが決めた歴史に残るドリブルシュートに似ていた(バッジョほどエレガントではないが、鋭さでは上だった?)。 (C) Getty Images

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 13節のウディネーゼ戦を、ジェレミー・メネーズの2ゴールで制したミラン(2-0)。7節のヴェローナ戦以来、6試合ぶりの勝利で、11月唯一の白星でもあった。
 
 本田圭佑のプレーからはコンディションの良さがうかがえ、プレーのキレ、判断の良さが非常に目立った。ゴールチャンスを活かせず悔しがる場面が幾度かあったが、それを差し引いても高く評価できる内容だったと言える。
 
 この試合で印象的だったのは、メネーズとの連係、そしてそこにステファン・エル・シャーラウィが絡む攻撃の効率の良さと効果の大きさである。
 
 FKを奪い合う(?)ほどゴールへの執着心が強い本田とメネーズだが、このふたりのパスワークで何度か決定機を生み出したのは新鮮な光景でもあった。
 
 これまで、右から本田、メネーズ、エル・シャーラウィが並んだ前線では、メネーズは上下左右を自由に動き回り、本田はメネーズのいない場所にポジションを移すという、ある意味、バラバラにゴールを目指すという“間柄”だった。
 
 それがウディネーゼ戦では、互いに意図したポジショニングがボールの受け渡しでゴールに迫るという、真の意味でのチームプレーが幾度も見られた。
 
 本田が以前に語ったように、試合を重ねるにつれて相手の研究が進んだことにより、序盤戦に見られたミランの得点力は目に見えて落ちていった。
 
 そんな状況下で必要だったのは、序盤戦からの課題である守備力の向上、そして前線の連係の構築だった。SBのイグナツィオ・アバーテと本田のように、縦の繋がりは出来上がっていたミランは、一方で横の繋がりが非常に弱かったからだ。
 
 メネーズがなかなかボールを手放さないのは今回も相変わらずではあったが、以前のようにゴールだけでなく、本田もその視界に入っていたようだ。一方の本田はもちろん、これまで通りに味方(メネーズに限らず)の位置が常に頭に入っていた。
 
 もうひとりのFW、エル・シャーラウィは常にスピードに乗ったところでボールを受けて相手ゴールに突き進むかたちを好むが、この走り込みがウディネーゼ戦では効果的だった。そして左サイドを抜け出せば、メネーズが近づいて動いてドリブルコースを空け、中央では本田が絶妙な位置取りでラストパスを待っていた。
 
 これまでセリエAの13試合で、ミランは6パターンの前線の並びを試したが、一番多く披露(5試合)された本田、メネーズ、エル・シャーラウィの並びが、やはり一番良さそうだ。
 
 フェルナンド・トーレスはCFとして抜群のキープ力とシュートまでもっていく技術を有しているものの、周囲を使う力が欠けるため、攻撃が単発になり、相手にとっても対応が容易となってしまう。
 
 現在の中盤の力なども考えると、純粋なCFを置くとミランの攻撃は滞ってしまいがちであり(あのマリオ・バロテッリを置いてもそうだった)、メネーズのような“偽9番”を置く方がミランには適していると考えられる。
 
 もっとも、今回はウディネーゼが予想外に消極的だったことで、ミランの攻撃がうまくいったというのも事実だ(それでも攻撃ではストレスが溜まる時間、守備では危ない場面がいくつもあったが)。差し引いて考えるべき要素はいくつもある。
 
 とはいえ、ミランがいくらか進歩しつつあるのは事実であり、また今後、アバーテ、ナイジェル・デヨング、そして中盤の核であるリッカルド・モントリーボが本格復帰することを考えれば、期待と楽しみは大きくなる。
 
 ただ、その進化を遂げる過程において本田を最長で1か月も欠くということは、ミランにとって、なかでも現場を預かるフィリッポ・インザーギ監督にとっては非常に頭の痛い話であろう。
 
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