「VARの判定以上に致命傷だった」なでしこを激賞する仏有力紙記者が嘆いた、日本の最大の弱点【現地発】

カテゴリ:日本代表

ヴァンサン・デュリュック(フランス『L'Equipe』紙記者)

2019年07月06日

「イングランド戦の敗北が、揺るがぬ弱点を浮かび上がらせた」

熊谷に対するジャッジは誰もが「おかしい」と認めているが、敗北の原因は決して審判の出来不出来だけではない。 (C) Getty Images

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 女子ワールドカップで日本はなぜオランダを相手に敗退してしまった(1-2)のか――。理由はあまりにも明らかで、皆が知っていることだ。

 それは、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が、意図的でも何でもなかったクマガイ(熊谷紗希)のハンドに、PK判定を下したからである。ほんの3日後におこなわれたアメリカ・フランス戦(2-1)では、試合終了4分前にまったく同じハンドを犯したアメリカを前に、PK判定に値しないと決定したにもかかわらず、だ。

 チーム戦略やチームが描いた軌跡を、ころころ変わる審判の判定ぶりに結びつけて分析するのは不条理だが、もしあのPK判定がなかったら、私は「今ワールドカップでの日本の巨大な強みは、後半戦にプレーを加速できる力をもっていた点だった」と綴った記事を世に出していただろう。

 だが、結果は敗北。われわれは必然的に「日本の最大の弱点は、試合をスタートさせるのが遅すぎた点にあり、凡庸すぎた前半戦から、体勢を立て直すことができなかった」と書くことになってしまった。

 彼女たちが敗退した原因は全てがそこに集約されると思う。オランダ戦以外でも意味があった試合で、その弱点がいい意味で変容することはなかった。

 日本は初戦で、アルゼンチン相手に人々を納得させる試合ができなかった(0-0)後、次のスコットランド戦(2-1)では、いいスタートを切りながらも、1点差に追い上げられるという難しい勝ち方をした。そして、日本にとってこの大会で初めて同等の力量をもつ相手とぶつかる、意義のある試合となったイングランド戦に、0-2で敗北してしまった。

 双方が決勝トーナメント進出を決めていたこの試合こそ、アサコ・タカクラ(高倉麻子)監督が率いるチームの致命的弱点を、くっきりと光の中に浮き上がらせた。その弱点こそ、ラウンドオブ16でオランダに敗戦する(1-2)ことになった決定的原因だったといえよう。

 とにかく、前半があまりにも弱かった。ボールの後ろをひたすら追いかけるばかりで、デュエルにインパクトはまるで無し。ボールを支配されながら、試合最終盤になってようやく調子を取り戻した。特に、スガサワ(菅澤優衣香)がセンターフォワードとして投入された後に、だいぶよくなったと感じた。これだけがイングランド戦の真実だった。

 決勝トーナメント1回戦でオランダと激突したときも、ゲームの入り方、前半が、あまりにもうまくいっていなかった。なでしこたちはピッチの両サイドで、オランダ代表のインテンシティーに窒息させられてしまったのだ。

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