「パトリックがどういう選手か見せられた」
[ACLラウンド16第2戦]広島3-2鹿島/6月25日/広域公園
これぞ、パトリックだ!と言えるような、久しぶりの“らしい”ゴールだった。
ホームで行なわれたACLラウンド16第2戦、広島は鹿島に3-2で勝利した。1点ビハインドで迎えた66分には、後半開始から途中出場したパトリックが同点弾をゲット。右サイドから上げられた柏好文のクロスに、相手DFよりも頭ひとつ分抜ける打点の高いヘッドで飛び込み、「あのゴールは自分の強み。特徴を見せられたと思います」と自賛した。
さらに後半アディショナルタイムには、ペナルティエリア内で相手DFと競り合ってファールを誘発し、PKを獲得。これを自ら決めて、複数得点を記録した。
第1戦を0-1で落としていたため、アウェーゴール数の差で敗退となった。それでも、「パトリックがどういう選手か見せられた」2ゴールには、特大の価値がある。
これぞ、パトリックだ!と言えるような、久しぶりの“らしい”ゴールだった。
ホームで行なわれたACLラウンド16第2戦、広島は鹿島に3-2で勝利した。1点ビハインドで迎えた66分には、後半開始から途中出場したパトリックが同点弾をゲット。右サイドから上げられた柏好文のクロスに、相手DFよりも頭ひとつ分抜ける打点の高いヘッドで飛び込み、「あのゴールは自分の強み。特徴を見せられたと思います」と自賛した。
さらに後半アディショナルタイムには、ペナルティエリア内で相手DFと競り合ってファールを誘発し、PKを獲得。これを自ら決めて、複数得点を記録した。
第1戦を0-1で落としていたため、アウェーゴール数の差で敗退となった。それでも、「パトリックがどういう選手か見せられた」2ゴールには、特大の価値がある。
昨季のパトリックは屈強なフィジカルを活かして、自己最多の20得点を決めた。しかし、堅守速攻から一転、今季から3-4-2-1の布陣でショートパスをつなぐ意識が高まったチームにおいて、リーグ戦の先発は2試合と出番を失っていた。コンビネーションプレーに長けるドウグラス・ヴィエイラにCFのポジションを奪われている。
かたやチームとしては、D・ヴィエイラを軸にパスがつながるようになり、崩しのバリエーションは広がった。ショートパスで横に揺さぶりながら敵陣の深い位置まで攻め込み、クロスもよく上がる。だが、遅攻になればなるほど、相手のゴール前は守備ブロックが固まり、ことごとく攻撃は撥ね返されていた。特に鹿島との第1戦はそれが顕著で、リーグ戦で得点力不足に陥っている原因にもなっている。
ゴールを取るために、何が足りないか。そのあとひと押しをフィジカルという武器でこじ開けたのがパトリックなのだ。組織としてのパスワークで相手を押し込めるようになったチームにおいて、この得点の価値は大きい。後半から3得点が入ったのは偶然ではないだろう。
肝心なのはパトリックがこの2発をきっかけに復調できるか。仮に昨季の“鬼”のような制空権を取り戻し、そして今季のウイングバックを活かしたクロスというチームの武器が合わされば、まさに「鬼に金棒」である。
そのために必要になるのは、パトリックにはゴール前の仕事に集中させることではないか。例えば、ポストプレーに長けるD・ヴィエイラと2トップを組ませ、ボールが収まる森島司をトップ下に置いた3-4-1-2システムへのシフトもひとつの手だろう。
いずれにせよ、鹿島とのACL第2戦で、パトリックがエアバトルの強さを再証明したのは間違いない。そして、彼を最前線に置いたチームはダイナミズムを取り戻した。この一戦をきっかけに、背番号10が復調する可能性はあるかもしれない。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
かたやチームとしては、D・ヴィエイラを軸にパスがつながるようになり、崩しのバリエーションは広がった。ショートパスで横に揺さぶりながら敵陣の深い位置まで攻め込み、クロスもよく上がる。だが、遅攻になればなるほど、相手のゴール前は守備ブロックが固まり、ことごとく攻撃は撥ね返されていた。特に鹿島との第1戦はそれが顕著で、リーグ戦で得点力不足に陥っている原因にもなっている。
ゴールを取るために、何が足りないか。そのあとひと押しをフィジカルという武器でこじ開けたのがパトリックなのだ。組織としてのパスワークで相手を押し込めるようになったチームにおいて、この得点の価値は大きい。後半から3得点が入ったのは偶然ではないだろう。
肝心なのはパトリックがこの2発をきっかけに復調できるか。仮に昨季の“鬼”のような制空権を取り戻し、そして今季のウイングバックを活かしたクロスというチームの武器が合わされば、まさに「鬼に金棒」である。
そのために必要になるのは、パトリックにはゴール前の仕事に集中させることではないか。例えば、ポストプレーに長けるD・ヴィエイラと2トップを組ませ、ボールが収まる森島司をトップ下に置いた3-4-1-2システムへのシフトもひとつの手だろう。
いずれにせよ、鹿島とのACL第2戦で、パトリックがエアバトルの強さを再証明したのは間違いない。そして、彼を最前線に置いたチームはダイナミズムを取り戻した。この一戦をきっかけに、背番号10が復調する可能性はあるかもしれない。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)