現地時間18日に行われたブンデスリーガ最終節でバイエルンはフランクフルトを5－1で下し、リーグ7連覇を達成した。

　試合後の会見では、今シーズン限りでの解任が取り沙汰されているニコ・コバチ監督が、ファンへ感謝を述べた。そして、来季も指揮を続けるつもりであることを明言した。欧州スポーツ専門チャンネル『SkySports』など複数のメディアが報じている。

「歴史の一端を担うことができて、本当に良かった。（解任との噂があるが）私自身は、この後もバイエルンで指揮を続けるものだと考えている。ある程度の確証もある」

　そう言い切った指揮官を後押しするのは、アリアンツ・アレーナを満員にした頼もしいサポーターだ。

　コバチ監督が「このスタジアムの雰囲気をつくり上げてくれて、心から感謝している」と言及したファンたちは、試合後にスタンドに向かって挨拶をした指揮官に、大声援で「ニコ・コバチ」チャントを送った。「あなたは最高の男だ！」と声をかけたサポーターもいたという。

　そして、クラブ側のコバチへのサポートが不十分だとし、このような弾幕を掲げたのだ。

「バイエルンに所属する全員が責任者であるべきだ。タイトルの数やビッグネームを重視？ そんなものでチームを運営するな。クソッタレ、FCハリウッド」

　現地紙『BILD』によれば、ファンがこうした強烈なメッセージを発信したのは、「コバチにはメガクラブを率いるだけの経歴もネームバリューも不足している」と指摘したり、重鎮にも特別な配慮をしない”聖域なき”選手起用に苦言を呈したりする、クラブ幹部やOBへ不満があるからだという。

　ファンのひとりは、コバチ解任に踏み切ろうとする首脳陣に対して、「何にだって時間はかかる。有名選手や監督がいればいいってものじゃないんだ。そんなものはバイエルンじゃない」と嘆いていたという。

　ともかく、ブンデスを制したことでバイエルンはまず一冠を達成。25日には、DFBポカール決勝のRBライプツィヒ戦が控えている。

　はたして、コバチは二冠を獲得してシーズンを終えることができるか。未だ首脳陣は指揮官交代の可能性を捨てていないという報道もあるが、コバチ自身、そしてサポーターはその手腕を信じているようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部