マンC強化部門は欧州最高峰だ! 資金力、巨大ネットワーク、ペップなどが大きな武器に

カテゴリ:ワールド

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2019年05月08日

CEO、FD、監督はすべて元バルサ勢

マンC強化部はソリアーノCEO(右)とベギリスタインFD(左)が全権を握っている。(C)REUTERS/AFLO

画像を見る

 マンチェスター・Cの強化部門/フロントは、元バルセロナのフェラン・ソリアーノCEOとチキ・ベギリスタインFDのコンビが、マネジメントから強化までの全権を握る。プレミアリーグの他のクラブとははっきりと異なる「ヨーロッパ式」だ。

 また、マンチェスターCを頂点とする「シティ・フットボール・グループ」は、スペイン、アメリカ、オーストラリア、南米、さらにはアジアと世界中に系列クラブを持っており、スカウティングから選手保有までをカバーするワールドワイドなネットワークを築いている。その量と質はともに世界最高レベルだ。

 選手獲得における交渉力は、昨夏にトップターゲットだったジョルジーニョ(ナポリ→チェルシー)を獲り逃したケースに見られるように、狙ったターゲットを必ず手に入れられるというレベルにはない。とはいえ資金力、そして近年高まってきたブランド力を含めて総合的に見れば、ヨーロッパでもトップレベルと言っていいだろう。
 
 チームマネジメントに関しては、R・マドリーのジネディーヌ・ジダンやA・マドリーのディエゴ・シメオネ、リバプールのユルゲン・クロップと同じく、監督のジョゼップ・グアルディオラが強いカリスマ性を持っている。しかもバルサ時代からの盟友であるソリアーノ、ベギリスタインとは完全な協調関係にある。

 ダニーロやレロイ・ザネの例が示すように、監督の指示に従わないプレーをした選手をメンバーから外すのにも躊躇がなく、クラブもそれを全面的に支持するので大きな問題にはならない。出場機会の少なさを理由にチームを出ていきたいという意向を選手が表明すれば、それを受け容れて積極的に移籍先を探してキャリアをサポートする姿勢もあるため、選手との対立も起こりにくい。

[マンチェスター・Cの強化部門&フロント採点]
●スカウティング:9点
●交渉力:8点
●チームマネジメント:9点
(すべて10点満点)

文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※ワールドサッカーダイジェスト2019年5月16日号より転載。

【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
【関連記事】
素人が仕切るマンUの強化部門…SD不在で大物代理人が頼みと前時代的だ
マンCが72億円でポルトガル代表MFの獲得間近! ユーベやパリSGとの争奪戦を制す?
「メッシの拒否権」はあるが…アビダルSDなどバルサの強化部門は極めて有能だ
「打つな!って言った…」「信じられない」マンCを救った最古参の主将が放った一撃はペップも同僚も予想外だった!
02年W杯の韓国vsイタリア戦での「誤審」を認めたモレノ主審、「副審のせい」「イタリアは臆病」と言いたい放題!トッティの退場については…

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2025年7月号
    6月10日(火)発売
    今、面白いクラブを総力特集‼
    ファジアーノ岡山
    徹底読本
    クラブが辿った奇跡のストーリーに迫る
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2025年7月3日号
    6月19日発売
    新生レアル・マドリー完全攻略読本
    シャビ・アロンソ新体制が始動
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ