３月７日（現地時間）、ヨーロッパリーグ（EL）ラウンド・オブ・16の第１レグ８試合が欧州各地で行なわれた。
 
　日本人選手でこのラウンドに駒を進めたのは、フランクフルトの長谷部誠とレッドブル・ザルツブルクと南野拓実で、前者はリベロでフル出場、後者は76分から交代出場を果たしている。
 
　フランクフルトはホームでの強豪インテル戦、20分にPKを与えるもGKトラップがブロゾビッチのキックをセーブ。全体的にペースを握ったものの、ヒンターエッガーらが決定機を活かせず、スコアレスドローに終わった。長谷部は安定したプレーで、無得点に貢献している。
 
　ザルツブルクは、同じくイタリアのナポリのホームに乗り込んだが、こちらは序盤から主導権を握られ、前半にミリクのGKをかわしてのゴールと、ファビアンの強烈弾で２点を失い、さらに後半にはクロスをオンゲネが自陣ゴールに頭で押し込んでオウンゴール。南野の積極的なプレーもゴールに結びつかず、準々決勝進出は遠のいた。

 
　他の試合に目を向けると、波乱といえばアーセナルがレンヌに１-３で敗れたことか。敵地で開始４分に先制したが、41分にカウンターを受け、相手選手を倒したDFパパスタソプーロスが２度目の警告で退場処分を受けてしまう。
 
　数的不利を背負ったアウェーチームは直後のFKで追いつかれ、65分にモンレアルがオウンゴールを献上、88分にはサールにダメを押された。ラウンド・オブ・32でもBATEボリソフに先勝を許したアーセナルだが、今回はより厳しい状況でホームに帰ることとなった。
 
　同じイングランドのチェルシーは、立ち上がりから攻勢に立ち、17分にペドロが左から持ち込んで、ジルーのバックヒールでのリターンを受けて先制ゴールを挙げると、その後も多くのチャンスを創出していく。
 
　長く追加点が奪えずにいたが、65分にウィリアンが相手GKが一歩も動けない見事なFKをゴール左隅に叩き込んでリードを広げ、終了間際に右からのクロスを受けたロフタス＝チークの折り返しを、ハドソン＝オドイが合わせて３点目。完封勝利で８強入りに大きく前進した。
 
　最も多い３チームを送り込んでいるスペイン勢では、ビジャレアルが敵地でゼニト・サンクトペテルブルクを、常に先手を取って３-１で撃破。バレンシアはホームに、同じくロシアのクラスノダールを迎え、主導権を握り続けながら、ロドリゴの２ゴールで先勝を飾っている。
 
「ELマイスター」のセビージャは、開始１分にベン・ヤーデルのゴールで先制したものの、２度のリードを守り切れず、ホームゲームで勝利を飾ることはできなかった。
 
　最後にディナモ・ザグレブは、38分にオルモがペナルティーエリア左角の微妙な位置で倒されてPKを獲得し、これをペトコビッチが決めて決勝点。アウェーのベンフィカはFWセフェロビッチが負傷で前半途中の交代を余儀なくされるというアクシデントに見舞われた。
 
　全試合の結果と得点者は以下の通り。なお、第２レグは14日に行なわれ、勝ち抜いた８チームの準々決勝の対戦カードは、翌15日の組み合わせ抽選会で決まる。
 
ゼニト・サンクトペテルブルク １-３ ビジャレアル
得点：ゼ＝アズムン（35分）　ビ＝イボーラ（33分）、モレーノ（64分）、モルラネス（71分）
レンヌ ３-１ アーセナル
得点：ブリジョ（42分）、オウンゴール（65分）、サール（88分）　ア＝イウォビ（４分）
セビージャ ２-２ スラビア・プラハ
得点：セ＝ベン・ヤーデル（１分）、ムニル（28分）　ス＝ストフ（25分）、クラル（39分）
ディナモ・ザグレブ １-０ ベンフィカ
得点：ペトコビッチ（38分）
フランクフルト ０-０ インテル
バレンシア ２-１ クラスノダール
得点：バ＝ロドリゴ（12・24分）　ク＝クラーソン（63分）
ナポリ ３-０ レッドブル・ザルツブルク
得点：ミリク（10分）、ファビアン（18分）、オウンゴール（58分）
チェルシー ３-０ ディナモ・キエフ
得点：ペドロ（17分）、ウィリアン（65分）、ハドソン＝オドイ（90分）
 
※カードの左側表記がホームチーム