３月６日（現地時間）、チャンピオンズ・リーグ（CL）ラウンド・オブ16の第２レグが行なわれ、ポルトが３-１でローマを下し、合計スコア４-３で準々決勝進出を果たした。
 
　第１レグではローマが19歳の新鋭ザニオーロのゴールで２点を先取したが、ポルトもアウェーゴールを１つ奪い、ともに勝ち抜けに十分な可能性を残して、運命のリターンマッチを迎えた。
 
　ポルトの本拠地「ドラゴン」での一戦、ホームチームは大観衆の後押しを受けて立ち上がりから積極的に攻め、３分にCKのクリアボールをコロナがダイレクトボレーで叩いてファーストシュートを放つ。
 
　第１レグからスタメンを６人入れ替え、急造の３バックで臨んだローマに対し、ポルトは前から厳しいプレッシャーを仕掛け、ボールを奪うと縦に速いサッカーで敵陣を突き進み、幾度もクロスを入れ、きわどいシュートを浴びせた。

 
　そして26分、攻勢のポルトは敵陣でボールを奪取してコロナが運び、マレガが背後から走り込んで抜け出しクロス。これをソアレスが押し込んで先制、合計スコアで逆転する。
 
　ミスでリードを許したローマは、相手の寄せの速さに長くまともな攻撃を仕掛けられずにいたが、36分にペロッティが左からエリアにドリブルで侵入したところで倒されてPK獲得する。これをデ・ロッシがカシージャスの逆を突いて決めて追いつき、再び状況を有利にした。
 
　しかし、アウェーチームはアディショナルタイムに、精神的支柱でもあるキャプテンのデ・ロッシが負傷でペッレグリーニとの交代を余儀なくされるというアクシデントに見舞われた。
 
　後半、やはり攻勢のポルトは敵陣でのボール奪取からローマを押し込み、49分に右からのクロスをソアレスがダイビングヘッドで合わせるが、バウンドしたボールはクロスバーを越える。51分にもカウンターからマレガが決定的なシュートを放つなど、ホームチームは勢いを見せる。
 
　そして52分、CKからのプレーでコロナの好クロスを、ゴール前に飛び出したマレガがダイレクトボレーで押し込んで勝ち越しゴール。合計スコアでは振り出しに戻した。
 
　個々の判断が遅く、不用意にボールを失ってピンチを招くことの多いローマは、77分にはクリスタンテを入れてシステムを本来の４バックに戻したが、攻撃の活性化には繋がらず、ポルトの攻撃をしのぐのが精一杯という状況が続いた。
 
　終盤に入ってもプレッシングが緩むことのないポルトは、ダニーロ、フェリペらがシュートを浴びせ、コロナに代わって登場したブライミが77分には右クロスをダイレクトボレーで合わせるが、GKオルセンの正面に飛ぶ。
 
　一方のローマも、82分にペロッティが相手DFのパスミスから好機を掴み、89分には前線のゼコが粘って好位置でFKを得るも、コラロフのシュートは壁に阻まれ、劇的な勝利はならず、90分間の戦いは決着がつかずに終了した。
 
　延長戦、変わらず優勢のポルトは、94分にマレガのわずかに枠を外れるダイレクトシュートで先に決定機を作り、クロスやセットプレーで相手ゴール前にボールを送る。これに対し、ローマはDF陣が懸命にはね返していった。
 
　しかし時間の経過とともに、ポルトもさすがに疲労の色が濃くなり、ローマがボールを持った際にも、これまでのようなプレッシャーをかけられず、自陣深くへの侵入を許すようになる。
 
　ローマが先にセットプレーからゴールに迫るという、これまでとは違う展開の延長後半、111分にエリア内でボールを得たゼコがDFを切り返しでかわして決定機を迎えるが、これを活かせない。その直後にも彼は、スルーパスを受けてGKカシージャスを破るシュートを放ったが、ゆっくりとゴールに向けて転がるボールは、ペペにクリアされた。
 
　ポルトは113分、M・ペレイラのエリア右外からのシュートがゴール左外に逸れる。しかしこの時、フロレンツィがフェルナンドを押していたとして、VARでの検証の末に、ポルトにPKが与えられる。これをA・テレスが決め、大きな勝ち越しゴールを挙げた。
 
　大いに沸くスタジアムのなか、活力を取り戻したポルトは攻勢を維持しながら、ローマの反撃を抑え切って勝利、2014-15シーズン以来のベスト８入りを果たした。ローマは不用意なプレーで自ら勝機を手放すかたちとなってしまった。
 
　準々決勝のカードは15日の抽選会で決定し、試合は第１レグが４月９・10日、第２レグが16・17日に行なわれる。
 
文：サッカーダイジェストWeb編集部